02a 三角塔、夕刻
三角塔へ到着した一行は、入管証を受付に見せると、
そのまま塔の中へと案内される。
いくつもの扉が並ぶ螺旋階段をしばらく昇ると、案内が足を止めて
すぐ横の扉をノックする。中からくぐもった返事が聞こえると
ゆっくりと扉が開く。
■ギュネイ To:ALL |
銀の網亭の冒険者たちかな? こんばんは。私はギュネイ・アースという者だ。 まあ中に入ってくれ。 あ、そこ気をつけて |
中から出てきたのは、30歳前後のどこにでもいそうな中年の男だ。
導師というからローブを着ているかとも思ったが、普段着を着ている。
部屋のなかは、大小様々な羊皮紙の山。
細長いの、丸まったの、積み重なったのと、足の踏み場しかないほどだ。
■ギャルム To:ギュネイ |
うは、研究室ってのはどうしてどこもこう…… あ、えーと。 ギャルムだ、よろしく。 お察しの通り銀の網亭のおやじから紹介を受けて来たぜ。 |
ずかずかと中に入る。
■ヘキサ To:ギュネイ |
はじめまして、パーティの荷物持ちのヘキサですw とりあえず依頼の詳細をお聞きしに来ました。 |
■マーキュリー To:ギュネイ・アース |
こんばんは♪アースさん。僕はマーキュリー、戦士と一応狩人です♪ まさか依頼って、この山の大掃除じゃないですよね(^^;) |
■ギャルム To:マーキュリー |
…もしそうだったらオレは帰るぞ(笑) |
■リールォン To:ギュネイ |
初めまして、僕はチャ・ザさまの神官戦士をしています、リールォンです。 依頼成功のためガンバリますので、よろしくお願いしますね(^-^)。 |
■ギュネイ To:ALL |
やあ、ご苦労様。 すまんねぇ、散らかってて。 今片付けるから・・・ |
とりあえずテーブル周りの羊皮紙の山を抱えて、適当にスペースをつくる。
片付けながら語り始める。
■ギュネイ To:ALL |
えー、何から話すかな・・・。 行き先はデルニア湖だ。オランから3日ほどの距離にある。 遺跡の正確な位置がまだ不明でね。 まずデルニア近隣の村で、情報握っている人物と接触するんだ。 遺跡を発見したら、そのまま探索を敢行する。 遺跡内に進入できたら、サンプル入手して撤収。 以上の行程の、護衛と調査サポートが君達の仕事だ。 出発は明日の朝。 よろしく頼むよ。 |
なんとか6人がテーブルに座れるスペースを作り終え、そのまま席につく。
■アビィ To:ギュネイ |
アビィ・アダマントと申す。 依頼を受ける前に、その遺跡についてもう少し伺っても宜しいか? 今の段階で想定される危険はどういったものがあるのだろうか。 それに、失礼かもしれないが、遺跡自体を発見できる可能性の高さについてもだ。 |
■ギュネイ To:アビィ、ALL |
危険があるとすれば、遺跡に進入する時だろうな。 今までの調査で、その遺跡は湖の底に沈んでいることがわかっている。 水の中にあるというだけで、相当な危険ではあると思うよ。 遺跡内部のことはほとんどわかっていない。 他の遺跡同様、危険な仕掛けがあってもおかしくないだろうな。 遺跡発見の可能性かい? ふふふ・・・今回は自信があるよ。かなり決定的な情報を入手したからね。 |
■ギャルム To:ギュネイ |
ちょっと待て、水の中にあるっつーことは…つまり潜れってことか? 残念だがオレたちには水中呼吸の魔法が使える奴はいないぜ? それとも遺跡の中には空気が溜まってるとでも言うのかい? |
■ギュネイ To:ギャルム、ALL |
うむ。潜水での調査は必要になると思う。 こう見えても私は精霊使いの能力もあってね。 水中呼吸の魔法を使うことはできる。 ただ、全員にかけることはできないから、 遺跡の中に空気が無いと、調査の続行は難しいだろうな。 しかし、空気がある可能性は十分に高いと私は考えているんだ。 |
■ギャルム To:ギュネイ |
なんだ、精霊魔法を使えるのか。 人は見かけによらな…あ、いや。(^^;) ま、導師がそう言うなら信頼することにするよ。 だが深く潜水するとなると水圧の問題もあるぜ。 その湖はどのくらいの深さがあるのかわかってるのかい? |
■ギュネイ To:ギャルム、ALL |
デルニア湖は平均水深5mと言われている比較的浅い湖だ。 近隣の漁村では、素潜りで湖底の漁を行う者達もいるそうだよ。 呼吸さえ確保できれば、調査は十分可能な域ではあると思う。 |
■ギャルム To:ギュネイ |
なんだ、都市が沈んでるって言うからもっと深いのかと思ったぜ…。 それなら何とかなるかな。 それと、あれだ。遺跡から脱出する方法は何かあるのかい? 普通に泳いで水面を目指すとなると、装備を捨てていかないと無理だぜ。 もしかして水上歩行の魔法も使えるのか? |
妙に精霊魔法に詳しい奴。(笑)
■ギュネイ To:ギャルム、ALL |
どうかな・・・。もし遺跡内に空気があるのなら、 外界から遮断するなんらかの魔力が働いている公算が高いからね。 あまり乱暴な方法では脱出できないだろうな。 さすがに水上歩行の魔法までは使えないよ(^^; 近隣の漁村で船を借りて、目的地まで移動することになるね。 |
■ギャルム To:ギュネイ |
ああ、行くときはそれでいいだろうけどな…。 出るときゃ、いざとなったら装備を捨てる覚悟も必要かぁ。 |
ちょっと悲しそうに(笑)
■アビィ To:ALL |
もしそれが本当に水中に眠っているなら、確かに未探査の可能性は高いな。 危険も、実入りもともに大きな仕事になるだろうな。 |
■リールォン To:アビィ&ALL |
そーですねっ! 水の中に遺跡があるなんて、冒険者ゴコロをくすぐります。 話を聞いているだけでワクワクしちゃいますねっ!o(^-^)o |
■ギャルム To:アビィ&リールォン |
わくわく…することが待ってると良いな…。 |
■アビィ To:ギャルム、ALL |
わくわく? 装備以上のものを捨てる覚悟をしておいたほうがいいやもしれぬぞ。 |
■ギャルム To:アビィ |
…命だけは捨てたくねぇ(笑) |
■ヘキサ To:ギャルム |
ハイリスク・ハイリターンな仕事を受けられるのは、冒険者として運の良いことだと思うけどね。 ま、死ぬ気になれば何でもできるもんだよ。 |
■フレイム To:ギュネイ |
申遅れた。フレイムフォレストと言う・・・。 粗方の質問は先を越されたか・・・。 ・・・矢次ですまない、道中の食費は・・・賄われるのだろうか? |
■ギュネイ To:フレイム、ALL |
うーん、前回の調査失敗で予算が底をついてね・・・。 実際今回の調査も苦しいんだよね。 できれば報酬の範囲内でやりくりしてほしいんだ。 まずは前金で200G払おう。 そして調査の成否に関わらず、仕事の終了後に300Gを払う。 成功報酬っていうのは用意してないが、 遺跡調査が成功っていう時には、相応の報酬が手に入るとは思うけどね。 |
■ギャルム To:ギュネイ |
前金ってのは一人につき200Gってことか? その後の300Gも? |
■ギュネイ To:ギャルム |
ああ、もちろん1人頭でだよ。 見たところ長年組んだパーティってわけじゃなさそうだったから、 1人1人を雇うような感じになると思ってたんだ。 代表者がいるんなら、その人にまとめて支払ってもいいよ。 それなら、分け前についてこちらで口を挟むことじゃないからね。 |
■ギャルム To:ギュネイ |
…お察しの通り出来立てのパーティだが…で、相応の報酬ってことは、遺跡の内部でお宝が発見された場合、 分け前をもらえるってことなのかい? |
■ギュネイ To:ギャルム、ALL |
うむ、装飾品や武具があれば好きにしてもらってかまわない。 他に金目のものがあれば、私が確認した後なら持っていっていいよ。 私が欲しいのは、きっと君達の興味を惹かないようなものだからね。 |
■フレイム To:ギュネイ |
・・・興味はあるが・・・必要ではないだろう。 優先順位は依頼人にある・・・見れるだけでも、充分だ。 |
■ヘキサ To:ギュネイ |
ぼくが欲しいのは……芸術的造詣かな? モチーフになりそうなものなら頂けないまでも見てみたいですし、逆に金銭的価値のある物には、ぼくはあまり興味がないです。 |
■リールォン To:ギュネイ |
僕はすごく興味あるし、頂けるんでしたら、欲しいです(^-^; そーいった歴史の遺物って、たとえ価値が無くても、長い間、存在し続けたってゆう意味では価値がありますし、その当時の人の想いもこもってますから。 綺麗な装飾品なんかがあったら、妹のおみやげにしたいですしね。 |
■ギャルム To:リールォン |
妹思いなんだな〜。 (お土産かぁ…) |
感心したようにリールォンを見ている。
■リールォン To:ギャルム |
えぇ、まあ、たった一人の肉親ですからね。 あ、でも家族はいっぱいいますよ。(^-^) 僕、孤児院育ちですから。 みんな、僕の大切なおとーさん、おかーさん、兄弟たちです。 そーだ、みんなの分も用意しなくちゃ、おみやげ。 |
自分のそんな境遇に自己憐憫を感じるのでもなく、同情を誘うというのでもなく、誇らしくそう言った。
■ギャルム To:リールォン |
そうか、じゃあたくさんお宝を見つけないとな。 |
リールォンの頭を撫で撫で。
■リールォン To:ギャルム |
はい! でも、おみやげはあくまでオマケです。 僕たちの仕事はギュネイさんの調査を成功させるコトですから。 |
■ギャルム To:リールォン |
おう、もちろんだぜ。 |
■アビィ To:リールォン |
土産に装飾品か、良いところに目を付けておられるな。 妹御の為にも良い品を探し出せるとよいな。 私も是非、その造形をおがませてもらいたいものだ。 |
■リールォン To:アビィ |
はい! みんなの喜ぶ顔を見るのは嬉しいですし、それが僕の幸せでもありますから。 古代魔法王国の装飾品ってきっといまのデザインとも違うでしょうし、見つけられたら嬉しいですね〜。 |
■ヘキサ |
……きょうだい、か。 (おねえちゃん、元気にしてるかな?) |
■ギャルム To:アビィ |
アビィもそういうのに興味あるのか? |
■アビィ To:ギャルム |
あ……ああ、こうみえても一応、装身具造りなのでな。 古代の品々は……まあ、いろいろと参考になるのだ。 |
■ギャルム To:アビィ |
そうかぁ、装身具ってアクセサリーの類か? 今度見せてくれよ。 |
■アビィ To:ギャルム |
まあ、そんなところだが……なんだかんだいってギャルム殿も興味をお持ちのようだ 古代の装飾品で飾ってみたいような、気になる女御でもおられるか? |
■ギャルム To:アビィ |
何でそうなるんだ!?(汗) オレには恋愛してるヒマなんてねぇよ! |
不自然な大声だった。(笑)