SW-PBM #124 Pigeon Blood Act.13-2〜家長 |
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■ 【ウォイル邸】 |
夕刻。
家長マービスの帰宅を見込んで、冒険者達は再度ウォイル邸を訪れた。
幸いマービス氏は戻って来ており、そのまま応接室に通される。
■マービス To:ALL |
昼間は不在にしていて申し訳なかったね。 ルークスが大体は話してくれたと思うが、まだ何か聞きたいことが? |
■ユウル To:マービス |
お忙しいところすいません。 宝石が盗まれた時の様子をお聞かせ願えませんか? 2階で寝てらしたんですよね? |
■マービス To:ユウル |
うむ、確かに2Fの居室で寝ていた。 残念ながら騒ぎが起きるまでぐっすりと休んでいたのでね、あまり話せることもなさそうなんだが。 |
■ユウル To:マービス |
確認ですけど、その夜屋敷にいた人間は、警備の官憲さん以外にはマービスさんと執事の方だけですね? |
■マービス To:ユウル |
ああ。 ルークスの奴はどこかに行っていたみたいだしな。 |
■ユウル To:マービス |
家宝を守るには人がいた方が安心する気がするんですけど… それって誰かに言われて出て行った風でした? |
■マービス To:ユウル |
直接見たわけではないから何とも言えないが……。 多分、いつもの夜遊びだろうからそういった事はないだろう。 |
■ユウル To:マービス |
盗まれた前と後で、屋敷内の様子やその他何か変わったことは? |
■マービス To:ユウル |
官憲の方達が警備に当たってくれた以外は、普段と特に変わらなかったはずだ。 宝石を盗まれてしまったことが変わった事といえば変わった事かな。 |
■ユウル To:マービス |
予告状はご覧になったんですよね? 賊の名前、なんて書いてありました?できれば文面を正確に思い出していただきたいのですが。 その名前や筆跡等に心当たりは? |
■マービス To:ユウル |
そうだな……確か、 『今宵、ウォイル家に代々伝わるピジョン・ブラッドを頂きに参上する』とかいった文面だったな。 賊の名は……ソーマとか書いてあったか。 |
■ユウル To:マービス |
え、ソーマ! ま、間違いないですか? |
■マービス To:ユウル |
うむ。確かにそんな名だった。 |
■レベッカ To:マービス |
「ピジョン・ブラッド」についてなんですけど、あの宝石にまつわるお話とかって何かあるのですか? それと、あの宝石の存在を知っている方ってどれくらいいるのでしょう? |
■マービス To:レベッカ |
ピジョン・ブラッドにまつわる話か……。 眉唾物で信じたものかどうか疑わしいが、あれは古代王国期から存在しているという言い伝えがある。 なんでもその頃には、何らかの儀式に使われていたとかいう話だ。 まあ、粒の大きな宝石には多かれ少なかれ、そういう逸話が付いて回るものだからね。 それから、先代にあの宝石をみだりに人に見せてはならぬときつく言い渡されていてね、見せるのはおろか、話した事も殆どないくらいだ。 とはいえ、別に秘密にしているわけではないからね。こちらからは言い触らさなくても、知っている者は割といる。 向こうから聞いてきたら説明くらいはしてやる……その程度だろうか。 |
■ユウル To:マービス |
見せてはならない?不思議ですね…やっぱり何らかの儀式と関係あるんでしょうか。 最近、特に宝石に興味を持って話を聞きにきた人はいませんか? |
■マービス To:ユウル |
いや、特にはいないな。 最近だとルークスの奴がウィスノー君に見せたとか言っていたが、それも一ヶ月近く前の話だし。 |
■ユウル |
(溜息)…そこから情報が漏れた可能性も、大いにありますね… |
■レベッカ To:マービス |
古代王国期・・・。ということは、何らかの魔法がかかったものである可能性もあるわけですね? 魔力を持つものかどうかお調べになったことってありますか? |
■マービス To:レベッカ |
以前気まぐれで調べてみたことがあったが、何らかの魔力が働いている事は確かのようだ。 もっとも、それがどんな力なのかはさっぱりだったが。 |
■ユウル To:マービス |
当日警備していた官憲さんの中で、どなたか以前に会ったことのある人はいませんでしたか?あ、ウィスノー氏は除いて。 |
■マービス To:ユウル |
屋敷でではないが、この数日近所で何度か見た顔がいたな。 ただの巡視だと思っていたから、別段気に留めていなかったがね。確か、リゾルドさんだったか。 |
■ウォルフ To:独り言 |
‥‥ほう、リゾルド殿がね‥‥。 とすると、先程のウィスノー殿への態度が芝居じみていたのも‥‥。 |
■ユウル To:マービス |
リゾルド、さんが…なるほど。 宝石が盗まれる前後の彼の様子で、何か気がついたことはありませんか? |
■マービス To:ユウル |
気が付いた事……か。 それまでは顔も見なかったのだが、事件の数日前から頻繁にこの辺りを見回っているのを見かけるようになったな。 |
■レベッカ To:ユウル |
後でウィスノーさんに、宝石のことをリゾルドさんに話したか、要確認ですね。 |
■レベッカ To:マービス |
それで、事件が起こった以降はリゾルドさんはこの辺りに来ていらっしゃいますか? |
■マービス To:レベッカ |
ふむ……そう言われれば、見ていないな。 |
■ウォルフ To:マービス |
マービス卿。こう言っては失礼に当たるかもしれませんが、ピジョン・ブラッドの保管について少し杜撰な気がしたのですが‥‥。 |
■マービス To:ウォルフ |
そう言われても仕方のないところだが……。 ただ言わせてもらえるならば、宝物庫という密室に錠を下ろして厳重に保管した上で、官憲の方達に警備を依頼もしたのだ。 個人で取りうる限りの事はしたと思うのだが。 保管場所を移したところで、そんなものは一時凌ぎにしかならない。 それよりは、盗賊を捕えて後の憂いを除くべきと考えたのだ。 もっとも、その結果宝石は奪われてしまった訳なんだがね。 |
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