【18a 逃走】
大骸骨が倒れると同時に、今まで整然と並んでいた小骸骨達がざわめきだす。
最初の1体が谷の入り口とは反対の方に駆け出すと、他の骸骨達も先を争って逃走を始める。
今までの統率ぶりが嘘のようだ。
■アズラ・ラ・ライト To:独り言 |
お〜、ガイコツたちが見事に逃げてきますです〜。 やっぱり統制保ってたのは大っきいヤツのせいだったみたいでしね〜 |
大骸骨からは何の反応もない。うめき声どころか血が流れ出す様子もないようだ。
大骸骨を倒したギャスパーの剣に血はついていないが、
硬いものを断ち切った時のような筋が、刃に刻まれている。
■オウル To:ALL |
や、やったのか・・・? おーい、あんたら大丈夫かー!? |
■ギャスパー To:上の人達 |
おー、なんか知らんがみんな無事だぞ〜。 |
■リシィア To:下の人達 |
なんとか……なったみたいですね。私達もそちらへ行きます。 |
■ハティノス To:リシィア |
はい、気をつけて〜 |
■ライラック To:ハティノス |
は・・・ハティノスさん、大丈夫でした?(ちょっと腰が抜けた感じで) |
■ハティノス To:ライラック |
えぇ、ライラックさんのおかげで敵の数も減ってましたから。 一発もらっちゃったのは僕の修行不足です(^^; |
■ギャスパー To:ライラック>ALL |
お疲れさん。一撃で決めたな。(^^;; …さてと、変なことをされるといやだし、こいつは縛っておくか? |
そう言いながらロープを取り出し、大骸骨を縛っていくギャスパー。縛るのに邪魔な外套を剥ぎ取ると、奇妙な形の骨格が現れた。
胸部から腹部にかけて、あばら骨が異常に外側に膨らんでいる。
小柄な人間なら座って中に入れるほどだ。
仰向けにしてその空洞を覗き込むが、中は空っぽだ。
■ハティノス |
こいつには誰も入っていなかったのかな・・・ |
■リシィア To:女性 |
(下位古代語で)私達も下へ行って、合流しようと思うのですけれど、大丈夫ですか……? |
念のため周囲に警戒しつつ、女性の様子に変化が無いかをそっと伺う。
■女 To:リシィア |
(下位古代語で)ええ、なぜかさっきよりだいぶよくなりました。 私ならもう動けますよ |
早速、オウルが登山用具を用意して準備を始める。
だいぶ時間がかかったが、
比較的足場の多そうな崖を選んで、谷へ降りることができた。
■ギャスパー To:ハティノス&ライラック |
ところでおまえら、なんでこっちに来たんだ? |
■ハティノス To:ギャスパー |
あ、はい、実は・・・ |
ハティノスはマイスがとってきた骸骨の置物のこと。
その置物から見えた幻影にこの大骸骨が映っていたこと。
大骸骨の中には人が入っていたこと
そして大骸骨が強力な魔法を使っていたため、急遽加勢しにきたことを伝えた
■ハティノス To:ALL |
こいつには人は入っていなかったようですが、入れる感じはありますね |
■アズラ・ラ・ライト To:ALL |
ふにゃあ、ホントだ。 わたしならすぐ入れそうでしね……だからってこんなガイコツに好き好んで入ろうとは思いませんですが。 それにしても人が操ってたでしか……不思議な話でしね。 |
■女性 To:ALL |
(下位古代語で)その骸骨・・・死んでいるんですか? |
話しかける女性をみて、ハティノスとライラックは驚いて彼女の顔を凝視する。
骸骨の置物で見た幻影の大骸骨。その中で無表情にこちらを見つめていた人間。
その人間が、目の前で女性の格好をして立っているのだ。
■ライラック To:女性 |
・・・・・え?あ?・・・・中身の人!? その人、骸骨の中身の人ですっ(汗) |
女、おびえるようにオウルの後ろに隠れる
■アズラ・ラ・ライト To:ライラック |
へにゃ?? え、それってどういうことでしか?? あ!そういえばこのおねーさん、遺跡から出てきたってマイスさんが言ってたし……? |
■オウル To:ALL |
ちょ、ちょっとまってくれよ。この娘は大骸骨に追われてたんだろ? それがなんで骸骨の中に入ってるんだ?? |
■リシィア To:ライラック |
話に出てきたイリュージョンで見た骸骨の中に、彼女が入っていたということですね? 私にはむしろ、骸骨に彼女が利用されていたように思いますけれど……。 |
■リシィア To:女性 |
(下位古代語で)驚かせてしまってごめんなさい。 実は…… |
リシィアは、ハティノスが話した骸骨の置物で見た大骸骨の事を女に説明する。
■リシィア To:女性 |
(下位古代語で)どうでしょう、なにか思い出しませんか? |
■女性 To:リシィア |
(下位古代語で)わかりません・・・そこの骸骨は前に見たことがあるような気がしますが、 よく覚えていません。 |
■アズラ・ラ・ライト To:ALL |
うーん、まあ思い出せないなら仕方無いでしよねぇ。 いっその事、その幻影とやらをこの人に見て貰うって手もありますけど…… |
■オウル To:ALL |
まあとにかく、大骸骨は倒したんだ。こいつの首を持って帰れば、 親父が報酬を払ってくれるだろうぜ。俺が怪物退治の証人でもあるしな。 |
■リシィア To:ALL |
では、戻りましょう。 もう骸骨が集団で襲ってくる心配は無くなりましたけれど、村の皆さんはまだ不安に思っているでしょうからね。 |
■ギャスパー To:ALL |
そうだな…。でも、首だけで大丈夫か? なんなら胴体ごと俺が運ぶから、あとでリシィア達がしっかり調べた方がいいような気がするんだけど…。 こいつが振り回していた杖も、持って帰って調べた方がよさそうだし。 |
そう言うとギャスパーは、大骸骨が振り回していた杖を拾ってきた。
■オウル To:ギャスパー&ALL |
ん?この骸骨、もう死んだわけじゃないのか? もともと死んでたって言われりゃあ、まあそうなんだが・・・。 そんなに心配なら、バラして持って帰ればいいさ。 ちょうど馬もあるしな。 |
■アズラ・ラ・ライト To:オウル&ALL |
まあ何か解れば御の字でし。要らなくなったら捨てちゃえばいい訳ですし、とりあえず持って帰ってみたらいいかもです〜。 |
■ギャスパー To:ALL |
そういや、さっきこいつが妙な儀式をやっていた場所は調べないでいいのか? |
■ハティノス To:ギャスパー |
気になるところは調べていった方がいいですね どのあたりです?調べてみましょう |
先ほど大骸骨が踊っていた地面を調べてみるが、小骸骨が這い出てきた穴以外、特に変わったものは見つからなかった。