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14b 追撃


女、そしてスケルトンの一団んと上下を隔てて並走する一行。
やがて、谷幅がわずか5,6メートルの箇所まで来て、女がこちらに気づいて立ち止まる。
ちらりと眼下のスケルトンを覗き、続いて一行を怯えた目で睨みつける。
■アルテナ To:ALL
できるならあやつらをたたいておきたいところだが…

剣に手を当て、ゆっくりと引き抜く。
■リシィア To:アルテナ
追撃があるでしょうから、その時まで戦力を温存しましょう。
可能であれば、村まで撤退して全員が揃ってから戦った方が有利なんですけれど……。

■ギャスパー To:アルテナ
そういうこった。
ま、バケモノ達が変なことを仕掛けてこないか、しっかり見張っておいてくれや。

■アルテナ To:リシィア&ギャスパー
わかった。危なかったらすぐにフォローできるようにしておく。

とりあえず剣を鞘に収め、骸骨軍団を見据える。
■オウル To:ALL
どうする、このまま淵を走っても、崖の下には降りられないぞ。
谷底の連中は一旦谷の入り口まで出れば、向こうの淵に上がることができる。
この高さから飛び降りるか・・・俺達も森を抜けて谷の入り口まで戻るか・・・?

■アズラ・ラ・ライト To:オウル
回り道してたら、その間にあの人とガイコツがどんな動きになるか解んないでし〜
時間掛けたり目を離したりするのは得策じゃないと思いますです。

■ギャスパー To:リシィア
浮遊の魔法を使えば、彼女をこっちに飛ばすことができるんじゃないか?

■リシィア To:ギャスパー
残念ですが、レビテーションの魔法は自分自身にしか効果が無いんです。

■ギャスパー To:女

おーい、あんた!
俺たちの言葉がわかるかい!?

■女 To:ALL
『(下位古代語で)来ないで!なぜ追ってくるの!』

■ギャスパー To:女
(下位古代語で)
俺たちは村の人たちに、下にいるガイコツ退治を頼まれているんだ。
偵察に来てみたらアンタが追われていたってことさ。
あのバケモノたちがなんなのか、あんたは知っているのか?

■女 To:ALL
(下位古代語で)
わからない・・・何かに呼ばれてここまで来たけど、それが骸骨だったなんて・・・
でも何か思い出せそうで・・・うう・・・

頭を抱えてしゃがみこむ女。
女の言葉を翻訳しながら、顔を顰めるギャスパー。
■ギャスパー To:ALL
うーん、なにはともあれ下のガイコツを止めねぇと、あのねぇちゃんがやばそうだな…。
下に飛び降りるか?

■オウル To:ALL
下に飛び降りるか・・・まあ、あんた達ならあの大群でも相手ができるだろうが・・・
女はどうする?誰かが向こうに飛び移って、一緒に谷に飛び込むのか?その浮遊の魔法ってのは何回くらい使えるんだ?

■アズラ・ラ・ライト To:ALL
下と向こう側は繋がってるんでしよね?だったらいっそ飛び降りてしまった方が良いと思うんでしが〜。
早くしないとガイコツがあの人んトコに辿り着いちゃうでしよ??

そう言いつつ、飛び降りようと身構えるアズラ。
■アルテナ To:アズラ&リシィア
わたしも行こう。
リシィア、まとめて攻撃できる魔法とかないのか? あるなら時間稼ぎを引き受けるぞ。

■リシィア To:アズラ&アルテナ
待ってください。まずはなんとか、合流することを考えましょう。
合流の方法ですが……こういう方法はどうでしょう。

リシィアの説明はこうだった。まずアズラが向こう側にロープを持って飛び、女性の腰にロープを巻きつける。そしてフォーリングコントロールの魔法をかけ、女性にジャンプしてもらう、というものである。ジャンプしても届かない事は予測済みだが、フォーリングコントロールがかかっている以上は落下速度を落とせる為、ロープを引っ張れば合流が可能というわけだ。
■アズラ・ラ・ライト To:リシィア
なるほどです、それは良いアイデアでしね☆

■アルテナ To:リシィア
たしかに保護はスムーズにいきそうだな。

■ギャスパー To:リシィア
よっしゃ、じゃあ、俺はロープを引っ張ればいいんだな。

■リシィア To:女性
(下位古代語で)
そういう事ですから、私が魔法をかけても心配しないで受け入れてくださいね。
落下速度は自由になりますから、とにかく落ちないように考えていてくだされば、ほとんど落下速度は0になりますから。

女性は苦しそうな表情でリシィアの方を見ると、黙って頷く。
しかし小さく呻くと、また頭を抱えてしゃがみこんでしまった。
そしてリシィアはフォーリングコントロールを唱える。
女性の身体に魔力の光が灯るのが見える、呪文は成功したようだ。
■リシィア To:アズラ
では宜しくお願いします。時間が無いですから、急ぎましょう。

■アズラ・ラ・ライト To:ALL
んじゃいきますよ〜〜っ!!
ていっ☆

腰にロープを結び付けたアズラが、助走を付けて崖を踏み切った。
さすがは本職。全く危なげなく幅跳びに成功したアズラ。
■アズラ・ラ・ライト To:独り言
ふう…無事飛び移れたでっす♪
さて、あの女の人にロープを……と、あらら??

先ほどから頭を抱えてしゃがみ込んでいた女だが、突然すくっと立ち上がる。
だが、アズラに気づいている様子はない。
無表情で虚空を見つめ、崖に向かってゆっくりと歩き出した。
谷底を見ると、あの大きな骸骨が手に持った棒切れを、まるで舞うように振り回しているのが見える。
■アルテナ
あの杖が気になるな…なにも仕掛けてこなければよいが…

■ギャスパー To:ALL
あれ? あのネーチャン、様子がおかしくないか??

■アルテナ
? 気が動転したか?

ロープを持って待機していたギャスパーだが、女性の様子を見ていぶかしげにつぶやく。
■アズラ・ラ・ライト To:女性
お、おねーさーん??どうしたですか……???

自分の腰に括り付けていたロープをほどいてから、女性に近付くアズラ。
女性の突然の不思議な行動に首をかしげつつ、彼女を振り向かせようとその手首を握った。
しかし、やはり女からの反応はない。手を振り切ろうともしないで、そのままアズラを引っ張って崖の淵まで行こうとしている。
■オウル To:ALL
ん?何やってるんだ?
早くしないと先に入り口へ走っていったやつら、上にあがって来ちまうぞ

■ギャスパー To:ALL>アズラ
あの女…操られてんのか!?
顔をひっぱたいてみろ、アズラ!

■アズラ・ラ・ライト To:女性
ふにゃにゃ…うわ、どうしたらいいんでしか〜(泣
って、そっち行ったら落ちちゃうでしでし!!
えっと、とりあえず……てやっ☆

後ろから抱きつくように女性の腰に手を回し、足を絡ませつつ力一杯引っ張るアズラ。
そしてそのまま、音もなく女性を組み伏せた。
しかし、女性は相変わらずの無表情で、何もない虚空を見つめている。
アズラはロープを素早く女性の腰や肩などにしっかり結び付けると、女性の頬をべしべし叩いたり肩をガクガク揺すり始めた。
■アズラ・ラ・ライト To:女性
おねーさーん、どうしたんでしか〜、起きて下さあぁいぃ!
このままではガイコツ来ちゃいますよおぉ!!

■リシィア To:アズラ
仕方がないですね。
少々強引ですが魔法で眠らせてしまいますから、少しだけ離れて下さい。

女性から身を離し数歩後ろへ下がると、リシィアに向かって「オッケー」とジェスチャーするアズラ。
■リシィア
眠りをもたらす安らかなる空気よ……

軽く足をバタつかせていた女の足が、力なく横になる。アズラの耳には静かな寝息が聞こえ始める。
■アズラ・ラ・ライト To:リシィア>女性
ふにゃ、無事寝ちゃったみたいでしね。
……えっと、そしたらこの人を崖から放り投げちゃえばいいんでしか?^^;;;
ちょっと痛いかもしれないけど、ガマンして下さいねおねーさん。

そう言いつつ羽交い絞めするような形で腕を回し、アズラが女性を抱えて崖の近くまで引っ張っていく。
■ギャスパー To:オウル
合図をしたら、アンタも一緒にロープを引っ張ってくれよ!

姿勢を整えながらオウルに呼びかける。
■オウル To:ギャスパー
あ、ああ、わかった!

■アルテナ To:ALL&オウル
素直に気がついてくれればいいが…。このまま一気にここから引き上げよう。

■オウル To:アルテナ、ALL
うむ。しかし、慎重に引っ張らんとな・・・あの女が途中で起きちまったら事だぞ・・・

■アルテナ To:ALL
状況は深刻だ。悠長にしてる暇は無い。一気にやってくれ。ある程度のフォローなら私もできると思…

その時、突然崖下から声が聞こえた。
■崖下からの声
・・・ギャスパーさんだ!
みんなそこにいるんですか?!!

■アズラ・ラ・ライト To:崖下
はにゃ! その声はハティノスおにーさんでしね!
お手伝いに来てくれたでしか? みんなここにいるでしよ〜!

起こさないように気を付けつつなんとか女性を崖ギリギリまで引き摺ってきたアズラが、ハティノスの声を聞きつけて崖下を覗き込む。
■アルテナ
あれは…? まずいな……
アズラ、早く帰って来い! 急いで戻るぞ!

■アズラ・ラ・ライト To:ALL
あ、あらら?なんだかマズい事になってるみたいれすね……
こうなったら早くこの女の人をそっちに渡さなきゃでし!


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