再びアウスに訪れた一行。
今回は昼食時のようだ。
煮炊きの香ばしい匂いが漂っている。
一行は丸太小屋に集まった。
■ホラドリック To:ALL |
こんにちは、みなさん。 オランでは色々大変だったようで、本当にお世話になりました。 先日は休む暇もありませんでしたが、今回はゆっくりしていってくださいね。 |
■シャッケル To:ホラドリック |
んむ。度々かたじけないのぅ。 |
■レヴィック To:ホラドリック |
また、お世話になるわね(^^; |
■ライル To:ホラドリック |
先日は済みませんでした。 あなたの実兄に騙されたとはいえ、彼を引き入れた事で村を騒がす原因を作ってしまいました。 さらに肉親の生命を絶つ事になり、申し開きの無い事をしてしまいました。 許して欲しい、とは言えませんが彼の罪を鑑みてご理解ください。 |
ライルは席から立ち上がるとホラドリックに向かい深々と頭を垂れた。ホラドリックも丁寧に会釈する。
■ライル To:ホラドリック |
今日はシェリアさんの処遇の相談と、あなたの考えを教えていただきたくお邪魔しました。 |
■リッキ To:ホラドリック |
シェリアさんはね〜、ここに住みたいんだって♪ 体は違うけど、こころはシェリアさんだよ〜。 だから、仲間に入れてあげてほしいの〜。 |
■ホラドリック To:ライル、リッキ>ALL |
そうですか・・・彼女がそう言うならば歓迎致します。 彼女ならばすぐに村の者達にも馴染めると思いますよ。 ただ今回の事件で、今後この村は他方からの風当たりは強くなるでしょうから、 もしかしたら辛い思いもするかもしれません。 しかし、村の者ができる限りの力をお貸しすることを約束しましよう。 私もできれば力になって差し上げたいですが・・・ 私は街へ行くつもりです。 そして恐らく戻っては来れないでしょう。 |
■ライル To:ホラドリック |
街…ですか? |
■リッキ To:ホラドリック |
街って…オランのこと? オランに住むの? なんで?? |
リッキはきょとんとしてホラドリックを見ている。
■ホラドリック To:ライル、リッキ>ALL |
ええ、そうです。 色々考えたのですが、やはりこの村に私が居ては、 村の発展の為によくないでしょう。 オランは私にとって危険な場所かもしれません。 しかし、街には色々な種類の人々が集まっていると聞きます。 そうした人々と出会って自分が何をしたいのか、 自分は何者なのかを探したいと思っています。 |
■シャッケル To:ホラドリック |
そうか…。 危険は外から来るだけでなく、自らの内からも沸き出ることがある。 たとえぬしが普通の生い立ちの人間であったとしてもな。 心することぢゃ。 |
静かに頷くホラドリック
■ライル To:ホラドリック |
そうですか… 村を去る、というのは賛成です。 あなたがどんな正しい心を持っていても拠り所となる信仰が邪まならば、 アウスの人々が歩んでいく道―その方向が危険なものになりかねません。 |
■ホラドリック To:ライル |
邪・・・ですか・・・ |
■ライル To:ホラドリック |
あなたが世界でたった一人しかいない人間であったなら、あなたの信仰は邪までは無いかもしれません。 ですが、人々が集団で生活をするには禁忌や規則、規範といったルールが無ければ生きていけません。 自由にあるがままに生きる、というのはそういったものを飛び越える危険性を孕んでいると言えるでしょう。 我々が社会を形成する時には「法」は必要とされるものです。 無為に狩りをしすぎないように、 無為に田畑を作るために森を伐採しないように、 無為に他人から物を盗まないように、 無為に他人の生命を奪わないように、とね。 あなたが信ずる教えは、村とそこに住まう人々を導くには相応しく無いと俺は思います。 |
■ホラドリック To:ライル |
そうですね・・・今はその時代ではないかもしれません。 しかし私は、人はもっと自立できるのではないかと思っているのです。 信仰と法とが分立できる時代。 信仰によってではなく、社会が法を定める時代です。 |
■ライル To:ホラドリック |
それは…遠い未来でも難しいのではないでしょうか。 このフォーセリアには神々があまねく存在しています。 恐ろしい話ですが、人々の信仰心が無くなった時や、単一の宗派に統合でもされない限りそんな時代は来ないと思います。 例えば自由を尊ぶ一柱だけが信奉されれば、あなたの言う通りになるかもしれません…。 |
■ホラドリック To:ライル |
ええ、とても難しいことだと思います。 かつて栄華を極めた魔法の時代から、 現在の剣の時代への変移にあったような、 大勢の人間達による革命が必要になるでしょう。 我々の祖先が自由を勝ち取ってまだ500年あまりです。 それをうまく使いこなせるようになるには、 まだまだ時間が必要なのでしょうね。 |
ライルはホラドリックの目をまっすぐ見据えて
■ライル To:ホラドリック |
ホラドリックさん、やはりあなたの信仰は捨てられませんか? だからオランへ行くと、仰っているのですね? |
■ホラドリック To:ライル |
ええ・・・もう私の一部になっていますから・・・ 今でも啓示の声は聞こえるのですよ。 あるがままに生きよ、と |
■リッキ To:ホラドリック |
ホラドリックさんは、ホラドリックさんだよ〜♪ じゃあ、オランで、また会えるね〜♪ |
にこにこ。ホラドリックも微笑んで
■ホラドリック To:リッキ |
その時は色々教えてくださいね |
■リッキ To:ホラドリック |
うん♪ |
アップルパイが美味しいお店を教えてくれるに違いない(笑)
■ルキシュ To:ホラドリック |
なんとも言えないね(^_^; ボクだって信仰を捨てろ、って言われても困るしね。 ……うん、ホラドリックさんならそれを多用して変な事しない、って信じられるからいいか。 |
■ホラドリック To:ルキシュ |
ええ、街へ出たら求められない限り信仰を説くことはないでしょうし、 魔法を使うことも無いでしょう。 |
■ライル To:ホラドリック |
分かりました。 それがあなたが選んだ結論なら…。 |
その思いを尊重しましょう。と言葉を紡ぐライル。
正しい心を持ちながら暗黒神を信奉する者に、抜き放つ刃は持っていないというところか。
■ライル To:ホラドリック |
…ですが、もしあなたの心が邪悪に染まったら地の果てまでも追いかけましょう。 俺には、その方法でしか責任を取ることができませんので。 |
そう言って微笑みながら手を差し出し握手を求める。
ホラドリックは少し居住まいを正してその手を握る。
■ホラドリック To:ライル |
はい。肝に銘じます。 そして、そんな日が来ないこと祈っていますよ。 |
話が一段落したのを見計らって。
■ザン To:ホラドリック |
……ちょっと待ってくれ、ホラドリック殿。おぬしがオランに行きたいというなら、それも良かろう。 拙者にそれを止める権利もない。 ……だが、今この時に、というのは少し無責任ではないのか? 考えてもみろ、ついこの間この村であれだけの事件があったばかりなのだぞ。 調査の者達も数多く来た。村人達の不安もかなりのものだったろう。 更に、シェリア殿はここに住みたいと言っている。 自分で望んだ事とはいえ、この村に馴染むまでそれなりの時間もかかるだろう。 ……ホラドリック殿。今この村を出て行くというのは、そんな村人達やシェリア殿を見捨てていくに等しい事だとは思わんか? もう少しでいい。村人が落ち着きを取り戻し、シェリア殿が一人でも大丈夫だと思えるまで……それまで、この村に留まる気はないか? それが、村長として……そして事件に関わった者として、しなければいけない事だと思う。 |
■ホラドリック To:ザン |
・・・留まりたい、できればずっと・・・。 実はみなさんがこちらに戻ってくると聞いた時、 オランに参考人として連行されるものと覚悟していました。 村の者にはそのことを説明し、村長の仕事の引継ぎを行いました。 しかしまだやり残していることも沢山あります。 もし、みなさんに許して頂けるのであれば、 1ヶ月、いえ半月でもいい。 私のこの村で最後の仕事を全うしたいのですが・・・ |
■レヴィック To:ホラドリック |
じゃぁ、居ればいいんじゃないの?(あっさり) アタシ達が許すも何もないと思うけど。別に連れて来いって言われたわけでもないし、今更逃げ隠れ…ってコトもないでショ。 |
それまで黙って成り行きを見ていたが、やっと口を挟む気になったらしい(笑)
■レヴィック To:ライル |
もし心配ならアタシ、ホラドリックさんの仕事が済むまでこの村に居てもいいわよ?ノンビリできそうだし。 その後でアタシと一緒にオランに帰る、っていうなら貴方も安心じゃない? |
■ライル To:レヴィック |
ええ、是非そうしてください! レヴィックさんがいれば安心ですから、もしそうしていただけるのであればお願します。 |
■ザン To:ALL |
そうだな、レヴィック殿の言うとおりだ。 拙者たちに許すも許さないもない。それは自分で決める事だ。 これはシェリア殿にも言った事だがな……自分の道は、自分で選べとな。 |
■ホラドリック To:レヴィック、ライル、ザン |
そう言って頂けると本当に心強いです。 こんな風に村の事を考えてくれる訪問者は初めてです・・・ |
そう言って目頭を押さえるホラドリック
■リッキ To:ホラドリック |
はややっ、泣いちゃダメだよぅ。 |
ホラドリックの背中をなでなで。
■シャッケル To:ホラドリック |
なんの。わしらとて、できれば気持ちよい仕事をしたいのよ。 ぢゃからそんなにありがたがらんでも構わん。 ぬしも自分の正しいと信ずることをするが良い。 ま、あまり傍目に良くない行いをしすぎれば、そこのライルに成敗されてしまうぢゃろうから、適当にな。ひひひ。 |
■レヴィック To:シャッケル |
いやねぇ、そんなに脅かさなくても(笑) |
ホラドリックも泣き笑い状態だ。爺ぃはシェリアに向き直った。
■シャッケル To:シェリア |
さてシェリアさんや…この村に残ることに決めるかね? もしそうするなら、ホラドリック殿も力になってくれるぢゃろうし、 今ならこのレヴィックももれなく心強い味方になろう。 |
■レヴィック To:シャッケル、シェリア |
そうそう、アタシこう見えても女性には特に紳士だから安心してちょうだい♪ |
シェリアはこくりとうなずく
■シェリア To:レヴィック、ホラドリック |
ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします。 |
■リッキ To:シェリア |
よかったね〜♪ ……あっ、そうだ。 あのね、シェリアさん、もし病気にかかったら、いつでもあたし、呼んでね。 すぐに助けに行くね♪ |
ぎゅっとシェリアの手を握る。
■ルキシュ To:シェリア |
ボクもボクも☆ 何かあったら呼んでね。出来る限りの事はするから♪ |
■シェリア To:リッキ、ルキシュ |
え・・・病気? あ、はい、ありがとうございます。 その時はよろしくおねがいします。 |
二人と握手を交わすシェリア
■ザン To:ALL |
……ふむ。 これで万事解決、かな? |
シェリアに向けて、似合わないウィンクを一つ。シェリアも頷いてやわらかく微笑む
■シャッケル To:ザン |
んむ。とりあえずは一段落ぢゃろう。 ……仕上げはオランに帰ってからぢゃな。 |
■ライル To:ALL>レヴィック、シャッケル |
ええ。帰りましょう、オランへ。 レヴィックさん、シェリアさんとホラドリックさんの事、よろしくお願いしますね。 …ところで仕上げってなんですか?シャッケルさん。 |
■シャッケル To:ライル |
今回の顛末を主題にして、趣味のサーガを作るのぢゃ♪ 無論、ラストシーンは無骨な戦士のウィンクに娘が恥らうシーンぢゃ。ひひひ。 |
■ザン To:シャッケル |
……余計なシーンは入れなくていい。 |
ごすっ!
という良い音を響かせて、ザンの拳がシャッケルの後頭部にめり込む。
いくら飲んでも変わらないその顔が真っ赤になっていた。
■リッキ To:シャッケル&ザン |
はややっ、じいちゃん、だいじょぶ〜?? ザンも、お顔が真っ赤だよ〜?? |
シャッケルとザンを交互に見てオロオロ(笑)
■シャッケル To:ザン |
ぬぉあぁあ〜、年寄りはもっと丁重に扱わんかいぃ〜!? |
大げさにそのへんでのた打ち回っている爺ぃ。
■ザン To:リッキ>ALL |
大丈夫だ、心配はいらん。 ……さ、シャッケル殿は放って置いて行くぞ。 |
■シャッケル To:ザン>ALL |
おおぅ、こりゃまて! 哀れな老人を置いていくのか? 親不孝モノめ〜。 わしはお前をそんな子に育てた覚えはないぞぃ? |
注:親じゃありません。というか育ててません。
あっさり起き上がった爺ぃは、去っていく一行を急いで追いかけていった。