岩の台座に降っていた月光の光が一瞬暗くなり、すぐ元に戻る。
そして横たわっていた女性がゆっくりと上体を起こした。
その胸に突き刺さっていた短刀が、ずるりと抜け落ちる。
女性はそれを拾い、不思議そうに見つめている。
■ジェレイド |
シェリア・・・? |
■ザン To:ALL |
何が起こるか分からん。 皆、油断するな。 |
女性に目をやる。
短刀の抜け落ちた胸の穴がどうなっているのか、確認しようと注視した。
血で汚れて見にくいが、それ以上の流血はない。
傷はふさがっているようだ。
■ライル To:ALL |
儀式が…完成したのか!? |
■シャッケル To:ライル |
わからんが…何らかの効果を発揮したのは間違いなさそうぢゃな。 |
■レヴィック To:ライル、シャッケル |
そのようね、面倒なコトにならなきゃいいけど… |
■リッキ |
……。 |
ホラドリックの肩を支えつつ、女性を見ている。
■ホラドリック To:リッキ |
すみません・・・何があったんですか・・・!? |
ホラドリックも台座の女性を見て大きく目を見開いている。
■リッキ To:ホラドリック |
女のひと…が……。 |
■ルキシュ To:独白 |
起きあがった…… |
■シャッケル To:女性 |
…ぬしは、誰ぢゃ? |
爺ぃは難しい顔をしながら、たずねた。
■女性 To:シャッケル>ALL |
私・・・わからない・・・ ここはどこ? ・・・?・・・あ、あなた達は誰!? |
女性は脅えた目でこちらを見ている。
手に持った短刀で身構えている。
■レヴィック |
やっぱり面倒なコトになりそうねぇ…(溜息) |
■ジェレイド To:女性 |
私だ!ジェレイドだ!シェリア!シェリアなんだろ!? |
■女性 To:ジェレイド |
ジェレイド?・・・シェリア・・・? 何?わからない・・・ |
■レヴィック To:ジェレイド>女性 |
起き抜けに混乱させてどうするわけ? (女性の方を向いて) とりあえず落ち着いて……何も覚えてないの? |
レヴィックの問いに、女性は脅えながらもコクコクとうなずく。
■ホラドリック To:ALL |
失敗・・・?確か、儀式に失敗すると魂は一切の記憶を失って 復活するという話を聞いたことがあります。 |
■ジェレイド To:ホラドリック |
なんだと!?きさま!いい加減なことを言うな! |
■ホラドリック To:ジェレイド |
・・・兄さん |
ホラドリックは悲しそうな顔で頭を振る
■ザン To:ALL |
これは……一体、どうすれば良いのだ? あの女性は、本当に生き返ったのか? そうだとしたら、誰として? |
ザンは、女性とジェレイド、ホラドリックに順に視線を向けてどうしたものかと悩む。
■リッキ To:ザン>ライル |
わかんない……。 ね、ライル、ほんとなの? …記憶をなくしちゃって、生き返ることって、あるの? |
■ライル To:リッキ>ジェレイド |
邪法の事は分からない…。 ジェレイド、これがお前の望むものだったのか! |
呆然と立ち尽くすジェレイド。ライルの問いに答えることなく、無表情に台座の女性の方をみつめている。
かなり時間が経ってから、ジェレイドはフッと顔を沈めた後、
不敵な笑みを浮かべて顔を上げる。
■ジェレイド To:ライル>ALL |
失敗だよ、どうやら私の修行不足らしいな。 さてと、危うく大事な約束を忘れる所だった。 私はこれで失礼するよ。 |
ジェレイドは再び後ずさりし始める。
背後にある横穴の一つに逃げ込むつもりらしい。
■リッキ To:ジェレイド |
待って! どこ行くの? シェリアさんを置いていくの!? |
■シャッケル To:ジェレイド |
そうぢゃ。その娘をここまでしておいて、置いて行くほど大事な事があるというのか? たとえ記憶を失っているとしても、ぬしの大切なシェリアの魂の持ち主なのぢゃろう? |
■ジェレイド To:リッキ&シャッケル |
うれしいねぇ、そうまでシェリアの心配してくれるとはな! 俺を誰だと思っている? はっ!極悪非道の賞金首、ジェレイド・アウナンスだぞ? |
ジェレイドはほとんど引きつった笑みで答える。
更にじりりと後ずさる。
■ザン To:ジェレイド |
ふん、とうとう開き直ったか。 所詮貴様のシェリア殿への想いはその程度だったという事だな。 そして、自ら賞金首を名乗った以上、逃がすわけにもいかん。 |
■ライル To:ジェレイド |
逃がすか!! |
ライルは抜き身のままの剣を片手にジェレイドに襲い掛かった。
■レヴィック |
うーん、黙ってるわけにもいかないか(^^; |
持っているロッドでジェレイドに攻撃を仕掛ける。