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024 ジェレイド・アウナンス


ついに正体を明かしたジェレイド。
ジェレイドはトロアに化けていたのだった。
■リッキ
そんなぁ……。

半泣きでジェレイドの顔を見ている。
■レヴィック To:ザン>ジェレイド
アタシもザンにサンセイかしらね、邪法だとかはどーでもイイけど。
人の道楽の為にギセイになんてなる気さらさらないし♪
ねぇ……この人数相手に勝負する気はあるわけ?

さらにトロアとの距離を詰める
■ジェレイド To:レヴィック>ホラドリック
待てよ。あまり人数を減らしたくはないが、
やるというなら構わんぞ。
俺は死ぬだろうが、まあ、それも面白いさ。
なあ、わが愛しき弟よ。

■ホラドリック To:ジェレイド
・・・?

■ライル To:ジェレイド
降伏しろ!
法の裁きを受け、無為に奪った人の命―その魂に贖罪するがいい。

■ジェレイド To:ライル
降伏はしない。
お前の神は、私を許しはしないだろう。
・・・許すことを知らないのだからな!

■リッキ To:ジェレイド
わかんない……。
どうして……?
おもしろくなんかないよ…。悲しいだけだよ…。
…シェリアさん、生き返っても、そうしたら、また、ひとりだよ……。
生き返らせて、なにがしたかったの?

声を詰まらせながら、やっとのことで聞く。
■ジェレイド To:リッキ
何が・・・したかった・・・?
シェリアは生きたかったんだ。
後の事はシェリアが決める。

■ライル To:ジェレイド
他人の命を使ってまでか!?
確かに俺達は他の生命を奪ってしか生きていけないが、既に他界した人間の意思が分からない以上、生者の勝手な思惑で蘇らせても、復活した人間が幸福になるとは思えない。
シェリアさんは、そんな事を望む様な人だったのか!

■ジェレイド To:ライル
奇麗事を!お前はまともに生きてきたからそう思う!
シェリアにも幸福に生きる権利があったはずだ!

■ライル To:ジェレイド
当然だ。そしてお前が命を奪ったその女性もな!!

■ルキシュ To:ジェレイド
生き死にって言うのは、他人が決めるものじゃないよ。
それに、こんな事もしても誰も喜ばないよ!!
……やめようよ、こんな事……

最後の方は半泣き状態。
■シャッケル To:ジェレイド
さよう。ぬしの行いの先に幸福を得るものは誰もおらんぢゃろう。
…のう、ようく考えて見よ。ぬしは、己の願いのために、彼女の魂を、心を傷つけようとはしていないか?
彼女が心優しくば、ぬしを許すぢゃろう。しかしそれと同じくらい己を許せまい。
全くの無関係の他人の不幸を前提に己がよみがえってしまったことを許せまい。
ぬしはそれにどう報いるつもりなのぢゃ?
ぬしの行いは彼女を苦しめるだけに違いないのだぞ!

■ザン To:ジェレイド
生きている限り、死はいつか必ず訪れるものだ。
大切なのは、どれだけ長く生きたかではない。生きている間に、どれだけの事が出来たかだ。
……違うか?

■レヴィック To:ジェレイド
まぁ…。生き死になんて初めから不平等なものよ…。でもそれは誰でも一緒だしねぇ?

■ジェレイド To:ALL
なるほどな、これが冒険者というものか。
しかし・・・・遅い。手遅れだ。
その女は既に死んでいる。
儀式が済めば肉体だけは生き返る。
シェリアとしてな。

■ライル To:ジェレイド
……。
さっきお前は言ったな。
「もう充分に精力を吸い取ったはずだ」と。
儀式が完成しないのはシェリアさんの魂がお前の行為を拒否しているからだ!
それがまだ分からないのか!?

■リッキ To:ジェレイド
あたし……あたしたち、力、あげないもん。
シェリアさんが、かわいそうだもん。
お願い…その女のひとに、謝って、もう、やめよ?
ジェレイド…さんが、シェリアさんのためにできることは、生き返らせることじないよ……
シェリアさんのこと忘れないで、毎日お花、あげることだよ…。

■レヴィック To:ジェレイド
そうそう、さっきも言ったとおり人の道楽の為にアゲルものなんてアタシには何も持ち合わせはないのよ。

■ホラドリック To:ジェレイド
兄さん、もうやめましょう・・・。
兄さんの信仰心では儀式の成功させる為に
途方もない精神力が必要になるのです。
それに、みなさんが言うとおり、
義姉さんはこんなこと望んでなんていませんよ・・・

■ジェレイド To:ホラドリック
・・・きさま

先程まで考え深げだった表情に、さっと朱が差す。
■ライル To:ホラドリック
ホラドリックさん!
あなたはやっぱり邪悪な神の信者です!!
信者の前に人であるなら―人の心を持っているなら、信仰心だの儀式の事など持ち出さずに話しをするのが普通だと思いますが!

思慮の足りない発言に怒りの眼差しを向けるライル。
■レヴィック
(…そこで突っ込まなくても(^^;)

■ホラドリック To:ライル
・・・あ、私は・・・

何も言えず、うなだれるように俯くホラドリック
■シャッケル To:ライル
まあそう言うな。
ぬしとて己が神を持ち出さずに、善悪や価値を説くことは難しかろう?
まさか正義は神の意思とは関係ないとは言えまい。
口を尽くしてなんとか兄を止めたいと思っておる村長殿の意思をくんでやれ…
彼の言葉こそ、人の心から出たものだと、わしは思うぞぃ?

ライルを静かに諌める爺ぃ。
■ライル To:シャッケル
…それは。そうですが…
………。

■レヴィック To:ライル
貴方まで熱くなってもしかたないしね(^^;

■シャッケル To:ライル、ALL
それより危急の問題は、そっちじゃ。

キレそうになってるジェレイドの方を目で示す。
ジェレイドは俯いて震わせていた顔を上げ、
ホラドリックを鋭い眼光で睨みつける。
■ジェレイド To:ホラドリック
シェリアが望んでないだとっ!?
夫の俺よりもお前の方がわかるというのか!?あ!?
・・・知っているぞ、お前がシェリアを慕っていたことなどな!
自分のものにならないなら、俺と一緒に居させるくらいなら、
死んでしまえというわけだろうがっ!
お前がシェリアを殺したんだ!

■ホラドリック To:ジェレイド
そんな!なぜそうなるんです!
兄さんもわかってるはずでしょ!
義姉さんは!

■ジェレイド To:ホラドリック
だまれっ!!

その時、興奮して言い合う二人とは別の所で、
人のものではない悲鳴が聞こえた。
見ると、「魂の牙」に触れたインプが
電撃に打たれたように痙攣している。
一瞬遅れて、ホラドリックも悲鳴をあげて倒れる。
■ザン
……っ、しまった!

■レヴィック To:インプ
!…ばかっ…。

■ライル To:ホラドリック
ホラドリックさん!?

■リッキ To:ホラドリック
あっ……だいじょぶ!?

ホラドリックに駆け寄るリッキ。
四つん這いになって立ち上がろうとするホラドリック
■ホラドリック To:リッキ
うぅ・・大丈夫。ぐっ・・・

■リッキ To:ジェレイド
ジェレイドさん、違うよ!
シェリアさんは、神聖魔法を嫌がってたんだよ!
村長さんは、何度も説得したって言ってたよ……
知ってるでしょ?
だから、精霊使いを探しに行ったんでしょ?

■レヴィック To:ジェレイド
それにシェリアさんだって…単純に神聖魔法を拒んだのか、暗黒魔法かもしれないから拒んだのか…どっちなのかしらねぇ?
シェリアさんもアウナンスの一族のコト知っていたんじゃないの?

■ジェレイド To:リッキ&レヴィック>ホラドリック
シェリアがファリスを・・・神聖魔法を拒んでいたことなど百も承知だ!
だからなんだというのだ!おまえが本気になれば、シェリアを治せていたはずだ!おまえは・・・!?

言いかけて、ジェレイドは岩の台座の方を見て、大きく目を見開く。

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