縦穴を無事に下り終え、
曲がりくねる横穴を注意深く進む一行。
分かれ道もなく、しばらく進んでいくと
曲がり角から淡い光が漏れているのが見えた。
岩壁から覗き込むと、そこは鍾乳石と地下水の池が広がる空間だった。
光は天井からの月光のようで天然の大広間を照らしている。
この広間のほぼ中央には、テーブルのような岩の台座がある。
そしてその上には、女性らしき人影が横たわっている。
■トロア |
・・・・・・ |
トロアはまぶしそうに手をかざして、その光景を見つめている。
■リッキ To:トロア |
あっ……あれ……もしかして?? |
トロアの顔を見る。トロアは無表情にリッキを見返す。
■シャッケル To:トロア |
残念ぢゃが、覚悟が必要かも知れぬ。気を確かにな。 |
■トロア To:リッキ |
これで間違いないでしょう。 奴らは邪教崇拝者なんですよ・・・ |
■レヴィック |
(イヤ、それで決定するのもどうなのかしらねぇ…。) |
■リッキ To:トロア |
……。 (死んじゃってる…の?) |
トロアの表情に慌てて目をそらし、女性を見つめなおす。
■ザン To:トロア |
ちょっと待て、トロア殿。 『やつら』だと? ……その物言いだと、まるで面識があるように聞こえるぞ? |
■トロア To:ザン |
そうですか?そんなことありませんよ・・・ さあ、それより早く台座まで行きましょう |
■リッキ To:トロア |
う…うん。 あのね…すごく嫌な闇なの〜。気をつけて行こうね?… |
不安そうに皆の顔を見回す。
■シャッケル To:リッキ、ALL |
んむ。たしかに正念場ぢな。しかし… |
■ライル To:トロア |
トロアさん…。 |
なんでそんなに冷静なんだ?と疑問が顔に出るライル。
爺ぃもやや怪訝そうな顔だ。
■レヴィック To:ライル、ALL>トロア |
そうねぇ…邪教っていうならヨケイに気をつけないとねぇ? 念のためにあっち(テーブル)調べるまでトロアさんはここに 残ってもらってイイかしら? |
■トロア To:レヴィック |
そうですね、ではお願いします。 |
トロアは相変わらずの無表情だ。
■ザン To:ALL |
では、拙者がトロア殿の側にいよう。 万一何か起こっても、すぐ側にいれば対処のしようはある。 |
ライルはザンのねらいを察したものか、視線を合わせる。
■ライル To:ザン |
…お願いします。 |
■ルキシュ To:ALL |
一応罠みたいなものはないねー。でも、外だとちょっと勘が鈍るからなぁ。 シャッケルのが詳しいかな、こういうとこ(^_^; |
■ライル To:ルキシュ>ALL |
かもね(^^ よし、残り全員で近くまでいってみよう。くどい様だけど慎重にね。 |
■レヴィック To:ライル |
ハイハイ〜♪ |
全然慎重そうじゃないし(笑)
鍾乳洞の大広間に入り、岩の台座に近づくと、
横たわる女性の様子が見えるようになった。
年齢は20歳前後、腰まである金髪、そして少々派手なドレス。
ちょっと見た感じでは眠っているように見えるが、
呼吸をしている様子はない。
そして、彼女の胸の中央からは異物が突き出ている。
■リッキ To:ALL |
これ……なぁに? |
ちょっとびくつきながら近づいて、よく見てみる。
■ライル To:ALL |
なんなんだろう…? |
■シャッケル To:ALL |
ふぅむ…? |
■レヴィック To:ALL |
…そうねぇ……。 |
覗き込むように見てみる。
突起は短刀の柄のようだ。
ドレスは大きく胸の開いたものなので、
素肌から短刀の柄が生えているようにも見える。
若干の流血が見えるが、血液はカラカラに乾涸びている。
■リッキ To:ALL |
……。 …シェンナ…さん……なのかな……。 |
沈んだ声でつぶやく。
■ライル To:リッキ>トロア |
そうかも…ね この突起は短剣か短刀の柄みたいだけど、何か邪悪なものを感じる。 手を触れたりしたらいけないよ、リッキ。 トロアさん、そこからこの方がシェンナさんだと分かりますか? |
■トロア To:ライル |
いえ・・・ここからではよくわかりませんね。 年恰好は似ているようですが・・・ |
■シャッケル To:トロア |
おっと、まだ近づいてはいかんぞぃ? ライルの言うように邪悪な意思が働いていれば危険ぢゃ。 |
■トロア To:シャッケル |
わかりました。みなさんの気が済むまで調べてください。 |
■シャッケル To:トロア |
んむ。もう少しだけぢゃ。 |
爺ぃは女性傍らにいる仲間たちに向き直り、自分も女性をよく観察してみた。
■レヴィック To:ALL |
んー、とりあえずこの短剣?は魔力が感じられるし触らないでね〜♪ でも……どっかで見たことがあるような気がするのよ……コレ。なんかアタシには縁遠い文献……そうそう前に、サダイヴォンについて後で調べた時に…。 確か、暗黒魔法についての文献だったわね。 暗黒魔法を使う…それも力のある司祭が用いる儀式用の剣。「魂の牙」……今の状況からしてソレっぽいわ。 |
■シャッケル To:レヴィック |
…ふむ。気づいたか? その文様ぢゃ。 どうやらライルの直感は正しそうぢゃな。 |
■レヴィック To:シャッケル、ALL |
と、すれば。少なくてもアタシ達が扱えるものじゃぁナイはずだけど…。 |
「魂の牙」について
・生贄に刺して儀式を行うと任意の魂を復活できる。
・伝説では長剣に変化したり、知性を持っていたりなど
様々なバリエーションが存在するらしい。
・暗黒魔法の司祭にしか使用できない為、そうでない者には無価値の代物。
ということを補足説明する。
■ライル To:レヴィック、シャッケル、ALL |
(レヴィックの説明を聞き驚愕かつ憤激したように) なんてことを! この女性を救う方法はないんでしょうか? |
■ルキシュ To:レヴィック、ALL |
ひどい…… |
■シャッケル To:ALL |
この服の生地はさほど痛んでおらぬ。3ヶ月以上ここにあったとは思えぬな。 形も最近流行したものと酷似しておる。 …もしシェンナ殿でないとすれば、ひょっとしたらオランから誘拐された娼婦かも知れんのぅ? |
■リッキ To:シャッケル&ALL |
…もし、そうだったら…シェンナさんは? |
怖いことを想像してしまい、一人で青くなるリッキ。
遠くからトロアが呼びかける
■トロア To:ALL |
まだ問題がありそうですか? そろそろ妻かどうか確かめたいのですが・・・ |
■ライル To:トロア |
…失礼しました、トロアさん。 どうぞ、こちらにいらしてください。 |
■ザン To:ALL |
それは……剣か何かか? そんな物が刺さっているという事は……やはり、死んでいるのだな……。 |
■ライル Toザン |
死んでいるというか…この柄は「魂の牙」と言いまして… |
レヴィックの解説をさらにかいつまんで説明する。
■ライル Toザン |
という事ですので、決して触らないでくださいね。 |