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003 銀の網亭、夜


 銀の網亭の夜はいつも喧騒に包まれる。
 過去の冒険譚を二十割ほど誇張して語る者。
 その真偽に金を賭け、大損する者。
 それを笑う者。
 酒も程よく回り、荒くれ者達が肩を組み合って歌いだす。
 そんな頃合で個室の扉がノックされた。
■おやじ To:ALL
入るぞ〜う。待たせたな、今日も馬鹿どもが言うことを聞かないんでなあ。
お、なかなかいいツラ構えが揃ったじゃないか。
おまえらなら少々危険な仕事もこなせるだろう・・・

■リッキ To:ALL
あっ、おやじさん♪
あや、お仕事の話??

■レヴィック To:オヤジ
なぁに、オヤジさんからのご推薦の仕事ってこと?珍しいのねぇ

■シャッケル To:ALL
ひひひ、物騒ぢゃのぅ。

シャッケルを指差して、ザンが一言。
■ザン To:おやじ
このご隠居がポックリ逝かない程度の危険にしておいてくれ。

■ライル To:ザン、オヤジ
(ザンの言葉にぷっと噴出し)
俺からもお願いします、おやじさん。で、どんな依頼ですか?

おやじは、懐から丸めた羊皮紙を取り出してテーブルに広げた。

<<調査と護衛依頼>>
「妻の死の真相を探りたい。
 ある村の調査と私の護衛をお願いする。
 報酬は1人1000G。 6名ほど募集
 薬師ローズ・トロア 」
■おやじ To:ALL
1人1000Gとはたいした大盤振る舞いだ。
それだけ危険を伴う可能性が高いってわけだな。
依頼人はカウンターに待たせてある。
なんとも用心深い御仁でな、詳しい話は受けることを決めてからだそうだ。
俺がざっと話を聞いた限りでは、まあそれほど無茶な話じゃあない。
さあ、どうする?

■リッキ To:ALL
えっと…
死の………真相…?

たいへんなお仕事みたい〜。

羊皮紙を覗き込んでつぶやく。
■ザン To:リッキ>おやじ
命を張って稼ぐからこそ冒険者なのだ。
楽な仕事などあるはずがなかろう。

妻の死を探る為、村の調査と依頼人の護衛……?
これは、その村に依頼人の妻の死の秘密が隠されていると見るべきかな。

ところでおやじ。
受ける事を決めてから詳細を話すという事なんだな?
それでは裏取りも出来てないだろう。話に無茶な所が無いとしても、その依頼人自身の信用は大丈夫なのか?

■おやじ To:ザン
うむ、依頼人は行商の薬師だからな。
オラン住人なら裏取りもできるんだが・・・
まあ、ギルドの商札は本物だし、町での評判も悪くない。
貴族相手に貴重な薬を調合することもあるそうだから、
それなりの財産もあったろう。
まあ、俺ならカミさんが行方知れずになっても、
大金をはたくような酔狂なマネはできんがね

あきれたように手を上げて、ため息をつくおやじ。
■シャッケル To:おやじ
いやいや、ぬしとてその時になれば新たな事実に気づくこともあろうて。ひひ。

■おやじ To:シャッケル
うーむ、そうゆうもんかな?(ぽりぽり)

■レヴィック
(…行商の薬師が一人1000ガメルねぇ……。)

■ルキシュ To:つぶやき
ほえ〜。なんかすごいねぇ。
護衛はいいとして……僕の頭で真相なんて探れるかなぁ?

■シャッケル To:ルゥ、ALL、
ルゥよ。ぬし一人ではない。こうして何人もおるんぢゃ。
大丈夫ぢゃよ。ひひひ。ふむ。わしはこの仕事、とりあえず請けても良いと思うがの、どうぢゃ?

■リッキ To:シャッケル
うん、いいと思うよ〜♪
みんな一緒なら大丈夫だよね♪

■ザン To:ALL
ま、構わんだろう。
内容が分からんから一概には言えんが、1000Gという報酬は充分だ。
……逆を言えば、それだけ危険が付いて回るかも知れんという事だがな。

■レヴィック To:ザン、ALL
まぁ、うまい話には裏があるって言うしねぇ。何時にもまして気をつけた方がいいのは確かだろうケド……。
その真相っていうのに興味が無いわけじゃないし……皆がよければアタシも異存ないわ。

■ライル To:ALL、おやじ
薬師…貴族の得意先と裏社会…妻の死の真相…高額な報酬
ものすごい嫌な単語が揃ってますが、もし邪悪が行なわれているなら看過する事はできませんね…

(全員の顔を見回し)
みなさん依頼を受けるって事でよろしいですよね。

■ルキシュ To:ライル
僕はOKだよ〜☆
人の生死に関わる事だからね! 見過ごせないし。

■ライル To:おやじ
(コクリと頷き)
依頼人に会わせていただけますか?おやじさん。

■おやじ To:ライル&ALL
じゃあ、受けるってことでいいんだな。
よし、依頼人を呼んでくるから、ちょっと待っててくれ


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