ごぶりん退治

一人勇者が生まれた

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ノガード村・北東の森・竜の祠前

竜の祠の前にはゴブリンたちの屍が転がっているのみであった。
戦いのときは必死だったアイリンであったが、改めてあたりを見渡してその凄惨さに少し顔が蒼白となった。
■アイリン To:ALL
・・・・ありがとうございました。

■クラウディア To:アイリン
大丈夫かい?
一番でっかい奴をやっつけたのはあんただ。
大変だったろうけれど、責任を果たしたとも言っていいと思うよ。

……ところで、以前あんたがでくわしたゴブリンっていうのはこれで全部かい?
生き残りがいたりすると、あとでやっかいなことになりかねないからね。

■アイリン To:クラウディア
たしか子供のゴブリンが何匹かいたと思います。

■コリューン To:アイリン&ALL
あ〜・・・そりは厄介だね〜★

「どうしたら良いんだろ?」という顔をして一同を見回します。
■クラウディア To:ALL
子ども……ねぇ。
とりあえず、今も中にいるのかどうか、確かめたほうがいいんじゃないかい。

■アスタルテ To:ALL
そうだね。もしかするとそいつらが村にくるかもしれないしね。

■イヴ To:アイリン
問題アリマセン。すぐに片付きマス。

■メルディス
子供ですか。
(子に罪はない・・・俺はそう思うけど・・)

■コリューン To:メルディス
メル兄、なんか悪知恵ある〜?

■メルディス To:コリューン
悪知恵とは人聞きの悪い・・・。
しかし、何とかしてあげたいものです。
(子供まで殺すなんて、俺にはできそうにない)

■コリューン To:メルディス
親、殺しちゃってるしね。
(殺すにしろ、生かすにしろ、うちらの勝手に過ぎないんだけどサ)

■チーゼル To:メルディス
何とか…っても…。

思わずフレイルを握り締めなおしつつ。
■アスタルテ To:チーゼル&ALL
だよねえ。所詮ゴブリンだと思うけど・・・

■イヴ To:アイリン
ホコラの中は無事デスか?
何も壊れていマセンか?

■アイリン To:イヴ
あ、そうですね。
中のほうの確認をしないと・・・・

■メルディス To:アイリン、ALL
一応、仲間がまだ居る可能性もありますので隊列は固めて入りましょう。
前衛は任せましたよ。

隊列を整え、さて中に入るかというときにふとクラウディアが口を開く。
■クラウディア To:ALL
あたしは、外をある程度片づけておきたいんだけど。
どうするにせよ、子ども達がいて、外に連れてくることになるとしたら、この有り様を見せたくはないからね。

■イヴ To:クラウディア
ワカリマシタ。
イズレにせよ死体を放置しておくのは不衛生デス。

■メルディス To:クラウディア、ALL
手伝いますよ。

■アイリン To:ALL
あ、あの、私も手伝います。

■アスタルテ To:ALL
わかった。僕も手伝うよ。

彼らはクラウディアに触発されてか、ゴブリンたちの死体を片づけはじめた。
といってもまさか祠の真ん前に穴を掘って埋めるわけにはいかないので、結局崖の下に落し、そこに穴を掘っ て埋める程度のことしかできなかったのだが。
ただ、血で濡れた地面だけはどうしようもない。
このまま乾ききるのか、それまでに雨が降れば流されるだろう。

外の片づけも一段落した後、万が一のことを考えて再び隊列を組んで祠の中へと入って行く。


竜の祠内部

 祠は自然の洞窟をそのまま利用しているようで、ところどころ細くなったり広くなったりを繰り返しながら、それ でも一本道で続いていた。
その間にもこの先に何かいる、という雰囲気がひしひしと伝わってくる。
進むに連れてすえた臭いがきつくなって行く。
15mほど進んだ頃だろうか唐突に道は天然の広間へとつながった。
どうやらここが祠の本堂のようであった。
真正面には祭壇らしきものが置いてあるが、ゴブリンたちがそうしたのかかなり壊れているように見えた。
部屋中に寝藁らしきものや、食べ物のかすなどが散乱し、そして・・・灯かりの先に子供らしきゴブリンが広間 の隅で固まっているのが見えた。
■アイリン
・・・・・やっぱりいましたね。

ため息とも付かない口調でアイリンはそうつぶやいた。
■メルディス To:子ぶりん’s
(ゴブリン語)
そこにいるんですね?
こっちに・・出てきてもらえませんか?

■子ぶりんA(ゴブリン語) To:メルディス
ご、ごぶごぶごぶ!
(こ、こっちにくるな!)

祠の隅で最年長らしい子ぶりんが弟妹達(?)を必死にかばおうとしています。
■メルディス To:子ぶりんA
(ゴブリン語)
分かりました。
あなたやあなたの兄弟には危害を加えません、それは安心してください。
(加えられるわけがないじゃないか・・)
ちょっと俺と話をしませんか?

■コリューン To:クラウディア
ねぇねぇ、メル兄達、何て言ってるの?

■クラウディア To:コリューン&ALL
子どもたちは当然ながらおびえているよ。
メル先生は……危害は加えないって言っているみたいだけど……、どうするつもりなんだろう。

■コリューン To:クラウディア
ふんふん、なるほど φ(.. )

クラウディアの話を聞きながら、祠の壁に「コリューン参上」と書いている。
■アイリン To:コリューン
・・・・・・・・(−−#)

■アスタルテ To:コリューン
知らないよ、ばちがあたっても。

コリューンは、知らん顔を決め込んだ。
■子ぶりんA(ゴブリン語) To:メルディス
・・・・・ごぶごぶごぶ?
(・・・・おとうさんとおかあさんは?)

■メルディス To:子ぶりんA
(ゴブリン語)
残念ですが・・・。
彼らはこの近くにある村へ襲いかかり、返り討ちにあいました。
君達もここにいるなら、いずれ村人達と戦わないとならないでしょう。

■子ぶりんA(ゴブリン語) To:メルディス
・・・・・ごぶ。
(・・・・そうなんだ)

■メルディス To:子ぶりんA
(ゴブリン語)
見れば、君よりも幼い子ばかりの様子です。
君一人ではこれから彼らを養っていけるとは思えない。
そこで、提案。
俺と一緒に暮らさないかい?
あなたや兄弟達の安全は絶対に保証します。

■子ぶりんA(ゴブリン語) To:メルディス
・・・・ごぶごぶ?
(・・・・本当に?)

■メルディス To:子ぶりんA
(ゴブリン語)本当ですよ(笑)
ただこの場所で暮らすわけにはいかないので移動する必要はあります。
俺に平和に暮らせそうな場所に心当りがあるんです。
そこまで行けば、大丈夫。

子ぶりんはしばらくメルディスと弟妹(?)達を見比べて考えていたようですがやがて一人うなずくと再びメルデ ィスのほうへと視線を向けます
■子ぶりんA(ゴブリン語) To:メルディス
ごぶごぶごぶごごぶ。
ごぶごぶごぶごぶごごぶごぶ。

(とうちゃんとかあちゃんがいないならここにいる必要はないよ。
 人間は信用できないっていってたけど、あなたのことを信用して着いて行くよ。)

■メルディス To:子ぶりんA
(ゴブリン語)ありがとう。
じゃあちょっと待ってくださいね。

■メルディス To:アイリン
アイリンさん。
今回の依頼はゴブリン退治という訳でしたが・・、彼らがここからいなくなればそれで問題はありませんね?

■アイリン To:メルディス
え、ええ・・・・二度とここに来なくなれば問題ありません。

■メルディス To:アイリン、ALL
了解です。
なら、これで依頼達成ですね。
俺には彼らを殺すなんてことはとてもできそうにありません。
だから偽善だとは思いますが・・・俺は、彼らを連れて一緒に暮らすことにします。

■クラウディア To:メルディス
……メル先生。
あんたってひとは……。

あとは言葉にならず、大きく鼻水をすすり上げるディアであった。
■メルディス To:クラウディア
俺が勝手に決めたことなんですから、そんな顔しないでくださいよ(笑)

■コリューン To:メルディス
メル兄、お人好しだね。物好きだね。おバカさんだね。

いきなり抱きついて、メルディスの鼻を舐めた。
■メルディス To:コリューン
はは、ひどい言われようですね。
否定できないところが残念ですよ。

言い聞かせるようにコリューンの頭を撫でる。
■コリューン To:メルディス
にゃ〜・・

■チーゼル To:メルディス
って、……え。
…そんな、ムチャ、な…。

と言いつつ周りの反応を見て。
■アスタルテ To:チーゼル
(リーダーの視線に気付いて、いいんじゃないのって言うように肩をすくめる)

■チーゼル To:メルディス

いつか…銀の網に退治の依頼が、なんてのは…いやですよ。もぅ。

■イヴ To:チーゼル
…仕事があるのは良いことデス。

■メルディス To:チーゼル、ALL
それは・・大丈夫だと思いますよ。
ここを離れてしばらくは実家の村に帰ろうと思っています。
その後・・海に出るつもりです。
上手く行けば人の手の入っていない無人島とかがあると思いますから、そこで暮らそうかと。

■コリューン
海、ゴブリン、無人島・・

何か考え付いたらしい。
■アイリン To:メルディス
・・・・・これを持って行ってください。

アイリンはそう言って自分のしていたネックレスをメルディスへと渡します。
■メルディス To:アイリン
いや、それは・・・。

■アイリン To:メルディス
そんなに高価なものではありませんけど、何かの足しにしてください。

■メルディス To:アイリン
・・分かりました。
ありがたく受け取らせていただきます。

■メルディス To:ALL
それでは俺はここで別れましょう。
さすがに彼らを連れて村に戻ったり、オランに行ったりはできませんからね。

■クラウディア To:メルディス
先生、本当に行っちまうのかい、寂しくなるよ……。
困ったことがあったら、いつでも呼んどくれ。
あたしで良かったら力になるからさ、先生ならできるだろう、まじないでぱぱぱっとね。

■メルディス To:クラウディア
ええ、頼りにさせてもらいますよ。
その時には今よりもっと魔法の腕を磨いてますから(笑)

■クラウディア To:子ゴブA
ゴブ、ゴブゴブゴブ
(あんたも、弟妹かかえて大変だろうけど、強く生きなよ。この人に付いていけば、大丈夫だからね)

■子ぶりんA(ゴブリン語) To:クラウディア
・・・・・ご、ごぶ。
(・・・・う、うん。)

■コリューン To:メルディス
メル兄、私、遊びに行くからね♪

■メルディス To:コリューン
待ってますよ。
その時までトーイはあなたに預けます。
暇になったらでいいですから・・・(さらさら)・・・ここまで連れてきてもらえますか?

羊皮紙に村までの簡単な地図を書きコリューンに渡す。
■コリューン To:メルディス
うん、分かったよ。ちゃんとトーイ君の面倒見るから、任せといて(^-^)v

不安だ・・食われたりしてヽ(゜▽、゜)ノ
■アスタルテ To:メルディス
このことは神殿には黙っておくよ。
自分で決めたことなんだからがんばってね。

・・・自ら困難な道を歩く勇者メルディスにマイリーの加護があ らんことを。


■メルディス To:アスタルテ
ええ、がんばります。
まぁ・・勇者なんて柄じゃないんですけどね(笑)

■アスタルテ To:メルディス
(メルディスは十分勇者の資質はあると思うよ。勇者とは戦うだけが能じゃないんだね。)

アスタルテはメルディスの言葉には返事をせず、ぎこちない笑みを返した。
■イヴ To:メルディス
ムラの被害から、エサは穀物・肉類だと推測されマスが、飼育できマスか?

■メルディス To:イヴ
・・そうですね。
こう見えても俺は漁師の生まれなんですよ。
だからしばらくは魚を捕ったりするでしょうね。
ゆくゆくは彼らに耕させたりするつもりです。

うーむ、畑を耕すゴブリンって・・・・(^-^;
■メルディス To:ALL、チーゼル
さてと、このまま名残を惜しんでるだけじゃいけませんね。
そっちもそろそろ村に戻った方がいいでしょう。

リーダー、後のことは頼みましたよ。

■コリューン To:メルディス&ALL
・・・そだね。あんまし遅くなっちゃいけないもんね。

メルディスの方へ向き直る。
■コリューン To:メルディス
絶対、絶対、行くからね! だから、お腹出して寝たりとかしちゃダメだよぅ!
・・これ、預けとくから。私が行くまで、ちゃんと持っててね!!

首から提げていた小さな金の指輪をメルディスに渡す。
■メルディス To:コリューン
ん・・分かりました。
大切に預からせてもらいますよ。
だから、そんな顔してちゃいけません。
絶対に来るんでしょう?またすぐ会えるじゃないですか。
ほらほら、笑ってる方がコリューンらしいですよ。

■コリューン To:メルディス
・・えへへ〜

精一杯笑顔(※不気味)
■アイリン To:メルディス
お気をつけて。

■メルディス To:アイリン、ALL
ええ、そちらも。

では、みなさん。
後の説明などいろいろあると思いますが、よろしくお願いします。
こっちもすぐに出発します。

メルディスは子ゴブリン達(全部で6匹いた))を連れて祠を後にした。
残された仲間達は彼の姿が森の中に消えるまでずっと見送っていた。
■アイリン To:ALL
私たちも村まで戻りませんか?
といってもこの時間からだと真夜中になってしまいますので水車小屋のほうで一晩止まった方がいいと思いま すけど。

そしてメルディスを見送った彼らもいったん竜の祠を後にした。
■アスタルテ
・・・うん。ボクもコリューンと一緒にメルディスを追うかな。
なんてったってボクの勇者様だし。
(しかしボクが勇者を迎えることになるとは思わなかったなあ・・・)

その途中不気味な独り言をつぶやくアスタルテであった。

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