オランからカゾフへと続く街道を行く一行。
　６日目までの旅は、かなり順調に続いた。
　昼間のお喋りなんかで、きっと‥‥仲間同士の親睦も深まったに違いない(といいな)。

　そして６日目の夜。
　今までどおりにナミキとランスが最初の野営をしている時に‥‥ランスの耳に、何かの音が聞こえた。

　敏感に音に反応し、ぴくっと耳が動くランス。
　しかし、もう一度耳を澄ましてみても‥‥今度は何の音も聞こえない。

　と、口では軽口をたたきつつも、ランスが注意を向けていた方向を中心的にセンスオーラをかける。
　すると、草むらの方に、生命の精霊の反応があった!

　ナミキ、寝ているみんなを起こします。

　と、そっと隣で寝ている連中を起こしにかかる。
　ついでに精霊使いの目にて草むらをじぃ〜っと見ていると‥‥熱源が‥‥２つ３つ？
　‥‥ただし、心なしか小さい。

　いつでも攻撃に備えれるよう、体勢を整えつつ‥‥ナミキと草むらの何かとの間に回り込む。
　草むらに近づくと。聞き耳を立てずとも‥‥がさ‥‥がさ‥‥と音がする。

　仲間を起こし終わったナミキも戦闘態勢をとる。

　くしくしと眠い目こすりながら身体を起こすレイン。
　まだ、夢の世界を引きずっているのか？

　こちらは。口は達者だが身体はまだまだ夢の中(笑)。

　すこぉし眠気を引き釣りながらも‥‥ただならぬ気配を感じ取り、すぐさま身を起こす。

　何かに備え、右手に杖をとり、左手にボーラを手にとるレイン。

　じっ‥‥と。戦闘態勢のまま草むらを睨む一行。
　少し‥‥その緊張の時間がすぎたであろうか。
　がさがさ‥‥という音と共に、皆の前に現れたのは‥‥うさぎ？？
　完璧戦闘態勢を整えていたランス、固まる(笑)。

　と、警戒を怠らないで周囲をまたインフラビジョンで見渡す。
　‥‥ほど近く‥‥10m近くに、またさらに小さな熱源が3匹程度あることがわかった。

　ナミキは近くに落ちている石を、さらに小さな熱源がある方向へと投げる。
　すると、冒険者達の近くに寄っていたうさぎのうちの１匹が、慌てて石が投げられた方向へと走り寄って行くのが見えた。
　小さな熱源達は？といえば。まだその場に居るようである。

　ナミキは仲間にそういうと、熱源のある場所まで近寄ってのぞきこむ。

　た、確かに、先ほどの発言からの流れではそうも見えるが‥‥

　覗き込んだナミキの視線の先には。ふるふると震える仔兎が３匹と、それを庇うようにたつ親兎の姿が見えた。

　その時‥‥まだ太っていない、という事か。
　まだ警戒し、辺りを見渡すナミキではあるが。
　もう、特にめぼしい熱反応はないようである。