SW-PBM #072 汎用ヒト型演劇人形 |
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リュイ達に連れられて来たのは、狭い建屋が密集する場所。
追いかけている男――ロバルトが滞在する部屋がこの一角にあるという。
■リュイ To:フィアルラ |
部屋に行ってやな……。 居ったら捕まえる。 居らんかったら、部屋の中で待ち伏せや。 どうや、完璧な作戦やろ。 |
部屋の裏側をガルードが見張り、顔の割れていないフィアが最初に訪問を装う、という手筈が説明される。
■フィアルラ To:リュイ |
えと……そのロバルトさんって、どんな人なんですか? 居たら捕まえるって言われても、私はその人の顔知らないんですが……。 |
■リュイ To:フィアルラ |
怪しい奴が居ったら、とりあえず捕まえるんや。 |
■フィアルラ |
(うわあ〜ぁ……(^^;)) |
ロバルトの容姿について語るリュイ。
■フィアルラ To:リュイ |
それに、もし居たらいいですけど、ひょっとしたら居なくって、しかももう戻ってこない可能性だってあるんじゃあ? |
■リュイ To:フィアルラ |
最後まで諦めない。 ……おやじさんの言葉や。 今からそんな事考えてたら、いい仕事はできないんや。 |
■フィアルラ To:リュイ |
それに、ガルードさんは裏で見張るとして、リュイさんはどうするんです? |
訪問する時は陰で隠れるが、待ち伏せになれば一緒に室内で待つという。
■リュイ To:フィアルラ |
相手は男や、確実に取り押さえるんやったら二人掛りやな。 |
■フィアルラ To:リュイ |
もしかしたら、私が返り討ちに遭うっていう事もあるかもしれないんですケド……(^^;) |
■リュイ To:フィアルラ |
さっきの感じなら大丈夫や(^_^ |
ダガーの振り回しを過大評価? するリュイ。
■フィアルラ To:リュイ |
はは……あんまり期待しないでくださいね。 |
■リュイ To:フィアルラ |
この仕事に、晩飯掛かっとるんや。 頼りやからな(^^ |
背中をぽん、と叩かれる。
■ガルード To:フィアルラ |
任せた。 |
■フィアルラ |
…………(^^;) |
目的地に到着。
2階建てで中規模の共同住宅である。
手前側に階段と外廊下が見える。
出歩いている人間の姿は無い。
ガルードは、無言で裏に回って行った。
■リュイ To:フィアルラ |
ここの2階、確か一番右端の部屋や。 |
階段を上る所までは一緒に行くと言う。
■フィアルラ To:リュイ |
ううう、よりによって一番奥ぅ〜……。 |
■リュイ To:フィアルラ |
追い詰めた、って感じや。 |
階段を上ってからは独り行動。
足音を殺し、一番奥の扉を目指す。
――細かな砂を踏む、僅かな音が立った。
■フィアルラ |
…………。 |
極力息を殺す。緊張のため頬に流れた汗が鬱陶しい。
扉の前では聞き耳を立てた。
話し声、物音は聞こえない。
■フィアルラ |
(……ん〜) |
罠も無いようだ。
■フィアルラ |
(……ん、ん〜(汗)?) |
自信無い。
扉をノックしてみるが、反応は無かった。
鍵は掛かっていなかったらしく、叩いた扉が手前に少し開く。
扉の隙間から中を伺うと、薄暗い室内に少ない家具が見えた。
人の姿はない。
リュイの方を振り向き、人が居ないことを示す。
待ち伏せをするつもりか、意見を伺う。
■リュイ To:フィアルラ |
(今行く) |
頷き、周囲を確認しながら近寄って来る。
■リュイ To:フィアルラ |
待ち伏せや。 |
即決。
扉を開けて中に入る。
……罠は無かった。
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