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Sword World PBM #64
モノクロームの吐息 |
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ダロンの家の居間 |
セリンを連れて一階に上がる。
暖炉に火を入れ、台所から適当に見繕ってきた茶を煎れる。部屋が暖まりようやく人心地つくことが出来たが、セリンの方はまだ緊張を解ききってはいないようだ。
■ギャスパー To:セリン |
ずっと地下にいたんじゃ、風呂にも入っていないんだろ? 今沸かしているお湯で体を拭いて、さっぱりするといい。 …お湯が沸くまで、しばらく話をしてもいいかな? |
お茶のカップを両手で持ちながら、セリンの様子を伺う。
■アンリ To:ギャスパー |
どこで体を拭いてくるんだろう・・・ |
■ギャスパー To:アンリ |
俺達が外に出てりゃあ済むだろ? |
■ギャスパー To:セリン |
俺達は冒険者―セリンのお父さんと同じだな―なんだ。ルゥミアさんに頼まれてな、セリンのお父さんやお母さんがなぜ死んだのかを調べて、できれば仇をとってほしい、そう頼まれているんだ。 セリンをいじめにきたんじゃないし、セリンのお父さんやお母さんが遺してくれたものを盗んだりもしない。約束するよ。 |
■ヘルムンス To:セリン |
というわけで、セリンさんの知っている範囲のことを教えてほしいんですよ。 ・・・思い出すのが辛いのでしたら、少しづつでいいですから。 |
■アンリ To:セリン |
別に何気ないことでもいいからさ♪ |
■セリン To:ALL |
………かお…かくしてたからわかんない………たぶん、おとこのひと……… |
■ギャスパー To:セリン |
んっと…、じゃあ、お父さんとお母さんが死んだのは、魔法を使い間違えたんじゃなくて、誰か悪い奴に殺されたんだな? |
■セリン To:ALL |
………うん……… |
小さく頷く。
■ギャスパー To:セリン |
そのとき、セリンはどうしていたんだ? |
■セリン To:ALL |
………かくれてた……… |
■ギャスパー To:セリン |
そうか。セリンだけでも、無事でよかったな。 |
■ヘルムンス To:セリン |
・・・そうでしたか。 そのおとこの人は、なにかお父さんたちに言ってませんでしたか? |
■セリン To:ヘルムンス |
………わかんない………お父さんもそいつもすごく怒ってた……… |
■ギャスパー To:セリン |
それと、顔は隠していたっていったけど、背の高さとか、太っていたか痩せていたかとか、誰かに似ていたとか、何でもいいから思い出してくれないか? |
■セリン To:ALL |
………よくわかんない………あたしのこと見たら、逃げてったから……… |
■ルキシュ To:セリン |
その逃げていった人、腕が凍ってたりした? それとも、みんないなくなった後、誰かセリンちゃんに近づいて来たりした? (今の話だと、ゴンドの証言ってちょっとおかしいよね……?) |
■セリン To:ルキシュ |
………わかんないけど……あっち行けって思ったら、さっきみたいにさむくなったの……… |
■ルキシュ To:セリン |
あ、お湯わいたみたい。手伝ってあげるから体ふいとこ。 折角の美人さんが台無しだよ☆ |
セリンに軽くウインクしてみせる。
■ルキシュ To:男性陣 |
男性陣はいくらセリンちゃんが魅力的でも覗かないように☆ |
ダロンの家の居間 |
セリンを連れ立って小部屋に消え、少しして戻ってくる。 しかし、戻ってきたルキシュの顔は、何故か浮かない物になっていた。
■アンリ To:ルキシュ |
うにに〜。どうかしたの? |
ルキシュにさりげに近づいてこそっと聞いてみる。
■ルキシュ To:アンリ |
う〜ん、あまり人に言えた事じゃないんだけどね、セリンちゃんの体、青痣だらけなんだ。 これってやっぱり村の人の仕業なのかなぁ。だったら警戒しても仕方ないよねぇ。 |
難しい顔でルキシュはアンリに耳打ちする。
■コリューン To:ルキシュ |
青痣の事、ルゥミアさんは知ってるのかなぁ? ・・・セリンちゃん、村の外の人に預けた方が良いかも〜★ |
■ルキシュ To:コリューン |
ルゥミアさんかぁ。多分知ってるんじゃないのかなぁ。 ここの村の人に預けたら怖いよね。ガンダルフさんとか……。 |
■ギャスパー To:セリン |
セリン、さっぱりしたかい? …お、着替えも済ませてずいぶん別嬪さんになったじゃないか。 きれいどころが3人も並ぶと、なかなか華やかだな。 |
大げさな身振り手振りと共に、見え透いた世辞を並べるギャスパー。最後にウィンクして、セリンの気分をほぐそうとする。
■アンリ To:ギャスパー |
ギャスパー、顔がこわばってて変。嘘、見え見え〜♪ |
■ギャスパー To:セリン |
で、さっきの話の続きなんだけどな。 その男って、剣とか杖とか、武器は持っていなかったか? それから、魔法を使ったりはしてなかったかい? |
■セリン To:ギャスパー |
………大きな鉈みたいなのをもってた……… |
■アンリ To:ALL |
鉈・・・かぁ。でも、鉈じゃほとんどの村の人が持ってるんじゃないの? うに?それとも、きこりさんしか持ってないのかな? |
■ヘルムンス To:アンリ |
薪を割るのに必要でしょうから、大抵の方は持っているんじゃないでしょうか? |
■ルキシュ To:セリン |
その鉈持った人って何人くらい来たの? セリンちゃんの知ってる人いた? |
■セリン To:ルキシュ |
………1人……誰かはよくおぼえてない……… |
■ギャスパー To:セリン |
覚えてないなら仕方ないよ。そんなにくよくよするなって。 それで…セリンが隠れていたのは地下室か? 悪いやつに、あっち行けって思ったのも、地下室か? |
■セリン To:ギャスパー |
ううん………ベッドのへや………夜だったから……… |
■アンリ To:セリン |
うに?じゃ、なんで地下のあの部屋に移動したの? |
■セリン To:アンリ |
………泥棒がくるから……… |
■ルキシュ To:セリン |
誰か盗みに来たりしたの? |
■セリン |
……… |
セリンはためらいがちに小さく頷いた。
■ヘルムンス To:セリン |
先ほど、あっちいけっておもったら寒くなったって言ってましたが、そういうことは今までにもあったんですか? |
■セリン To:ヘルムンス |
………ううん……… |
■ギャスパー To:セリン |
ふーん…。その悪い奴は、何か盗んでいったりしなかったか? |
■セリン To:ギャスパー |
………わかんない……… |
■ギャスパー To:セリン |
そのあと、この家にどんな人が来た? セリンのことを襲ったり、物を盗っていこうとしたやつはいなかったか? |
■セリン To:ギャスパー |
………怖いおじさんが来て、いっぱい叩かれた………でも、どっかいっちゃった……… |
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