SW-PBM Scenario #61B | 目次 |
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鍾乳洞(崖) |
左の道へ入りまたしばらくトンネルを進むと、水音がしてきた。それはだんだん大きくなり、滝のような音になる。と思うと、急に大きく開けた場所に出た。
地下にこんな広い空間があるとは信じられないほど広い。
はるか上の方では、蝙蝠が数匹飛び交っているが、降りてくる様子はない。下には、地下水が川となって流れている。川は水量が多く、流れも速い。岩陰から流れ出し、岩陰に流れ込んでいる。行き先はわからない。
目の前には、天井と川を繋ぐ崖がある。そして、崖の中腹、川から 20m 上に、幅が 20cm そこそこの狭い道がついている。崖の幅は 10m 位。その向こうは再びトンネルになっている。
■ケニ To: ALL |
ここから先は一本道です。渡れば、道なりに行くと最奥のファリス様の祭壇に出ます。でも…… |
崖に貼りつくようにして慎重に通らねば、下の川に落ちそうだ。川の水深は深そうなので、落ちても怪我をすることはないだろう。しかし、流れが急なため、落ちてから上に戻るのはかなり困難だ。
■アスタルテ To:ALL |
(う、うわぁ・・・ すごい流れだねえ。 ボク泳いだことないから、落ちたら助からないかも・・・) |
■カナル To:おおる |
これはこれは。 俺達もそうだが、ケニは渡れるのか? |
■ケニ To: カナルさん |
えっと……。がんばります。 |
ダメっぽい、ということらしい。
■ソフィティア To:ALL |
足を踏み外したら戻ってくるのが大変そうね(^^; |
■アトール To:ALL |
特に金属鎧なんてつけていたら、まともに泳げないぞ。 |
■カナル To:おおる |
渡る前に、少し先の方を調べてくるか。 |
ミネルヴァ発進。カナルはミネルヴァの視界で周囲を確認する。
崖の上を飛ぶが、蝙蝠が少々邪魔なだけで敵影は見られない。来た道にも周囲にも、人影は見えない。そのまま反対側のトンネルに入る。手ごろな岩の出っ張りがあったので、そこに留まり、周囲に顔を巡らせる。向こう側から敵が来る様子も今のところない。もし来たとしても、ここにミネルヴァがいればすぐわかるだろう。
周囲の安全を確認して、さて、目の前のコレをどうするか……
■ソフィティア To:ALL |
まじめにこの橋を渡っていく? |
■アトール To:ALL |
どうする? 俺ならたぶん楽勝で渡れそうな気はするけど、ケニとか落ちたらやばいぞ。 |
さっきからずーっと何か考え事をしていたヴィクトールは、ふと我に返った。今はこの崖を渡る方法を考えないと。
■ヴィクトール To:アトール&ALL |
・・・ん?あ、うん、どうしよう・・・ね。 リッキーも落ちたら流されちゃうよね。 |
■アフル To:ALL |
ロープかなんかを張っていくとか… あ、でも… |
と、崖の道の所に行き何やら考えている。
■アフル |
ふーん…、よし。 |
崖の部分に手を当てて「トンネル」を唱え始める。
■アフル To:ノーム |
地に住む友よ、大地の精霊よ… 我が前に道を開け… |
■ノーム |
アラホラサッサー |
アフルが何事かつぶやいて手を一振りすると、まるでアイスクリームをスプーンでひと掻きしたように、唐突に崖の中腹に幅 1m ほどの道ができた。道は向こう側のトンネルまでしっかり続いている。
■アフル To:ALL |
ふぅ、これならケニも落ちずに渡れるでしょ? でも、あんまり長い間は持たないから、急いで渡ろうよ。 |
■ケニ To: アフルさん |
………い、いま何が起こったんでしょう? |
ケニは夢でも見たのかと、しきりに目を擦っている。一歩足を踏み出してみるが、どうやら幻覚ではないらしい。
■ケニ To: アフルさん |
すっ、すごい…… 一体どうやったんですか?? |
■アフル To:ケニ |
へへ、ちょっとね(^^) |
■アスタルテ |
よ、よっしゃぁぁぁぁぁ!! ナイスだ、アフル!! (ケニの驚きをよそに、未来の勇者は心の中で叫ぶとみんなに背を向けながら小さくガッツポーズをした。) |
ノームの作った道はすぐに消えてしまう。一行は、急いで崖を渡った。
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