冒険者シナリオ


= test scenario:躍らされし者達 =

■全ては始まった、いつか終る為に・・・

「お母さま。どう、うまくいってた?」
「ええ、ありがとう。今度の賭けは私の勝ち。あなたのおかげよ」

 屋敷にはすでに人が戻ってきている。使用人達は、一時的に執事から暇を出されただけだったから。
 地下室と執事の部屋を片づけ終る頃にはもう日も暮れ、家々からもれるランプの光が、窓から見える夜景を飾っている。
 ミルアとミリアは今、同じベッドに寝ている。ミリアが今日は一緒に寝たいとダダをこねたからだ。使用人達も全ての騒動については聞いていたので、別に不思議には思わなかった。

「また、新しい執事を雇うんでしょ?」

 ミリアが布団から顔だけだして、髪を解かしている夜着姿の母親に尋ねる。

「そうねぇ。でもやり手の執事は雇えても、あのような面白い執事はまず無理でしょうねぇ」
「そうかぁ・・・」

 ミルアの答えに少し残念そうに、ミリアが溜め息を吐く。
 髪を解かし終ったミルアが櫛を鏡台に置き、ゆっくりとミリアの元に歩いてくる。

「そのうち、またあのお兄ちゃん達と遊べるといいなぁ」
「ミリアはあの人たちが、よっぽど気にいったのね」

 静かに微笑みながらミリアの頭をなでる。ミリアは嬉しそうに母親を見る。

「さぁ、神様へのお祈りをしてもう休みましょう」
「うん」

 そして二人はベッド中で静かに祈りの言葉を呟く。


・・・・・すべての物事を紡ぎ、世界を織り成すもの・・・・・

・・・全てを手の中に収めし偉大な神・・・

・・・・・・我らに加護あらんことを・・・・

ジョーカー


 祈りが終ると、ミルアが火を消し2人は布団に潜り込む。


 しばらくして二人の寝息が聞こえ始めた・・・


The End 〜 


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